ワラック
















投稿者:ザーシー
ワラック-CH(JUIC)

◆自己紹介
・卓球歴 10年
・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

◆試打環境
・使用ラバー
テナジー05
テナジー64
ラザントパワーグリップ
エボリューションEL-S
キョウヒョウ8
スピネイト
フレアストーム2
カールP-1R
デスペラード
GRASS D.tecs

・比較ラケット
馬琳エキストラオフェンシブ
インテンシティNCT 
エキストラウイング
キョウヒョウ皓
吉田海偉
クリッパーウッド

◆第一印象
ワラックはJUICが開発した7枚合板ラケットです。
ドライブの威力を重視し上板にはウォールナッツが使用されています。
近年流行している硬質な上板を使用したパワータイプの木材ラケットを意識した合板構成でありながら、驚くべきはその板厚で5.1mmと威力重視の7枚合板とは思えないほどの薄さです。
いくら7枚合板と言えども果たしてこの薄さでどれほどまでの威力をボールに伝えることができるのか些か気になりますが、JUICがモニターを募集したことからもワラックに対する自信の程が窺えます。
また重量も驚くほど軽量で両面にラバーを貼っても軽量な反転式ペンホルダーを握っているような感覚があります。
ワラックはシェークハンドも発売されている為、中国式ペンホルダーも恐らく両面にラバーを貼って使用することを想定して設計されていると思われますが、それにしても板厚の薄さと重量の軽さに驚かされますね。
グリップは吉田海偉や馬琳エキストラオフェンシブと比較すると細めで手の小さいジュニアやレディースの方でもしっかりと握ることが可能です。
薄くて軽くてグリップが細いと来れば幅広い年齢層を意識した使いやすさ重視のラケットなのかと思ってしまいますが、やはりワラックはパワー重視の7枚合板とあります。
ドライブの威力や裏面とのコンビネーション、特殊素材ラケットとの引き合いなどボールの威力を意識して試打をしていこうと思います。

◆攻撃系技術
やはり突出すべきは操作性の高さで、7枚合板の両面にスピン系テンションを貼っているとは思えないほど軽いです。
少しテンポを早くしたラリーやフォアと裏面の切り替えしでのラリーでも手首に疲れを感じることはあまりありません。
ペンホルダーの裏面は高い攻撃力と引き換えに、重量がネックになってしまいますが、ワラックは軽いためその心配はないですね。
ペンの両ハンド専用に設計されたのではと思えるほど操作性が良くスイングがしやすいです。
最も気になっていたドライブでの威力ですがさすがは7枚合板と言ったところでしょうか、放たれたボールは強く回転が掛かった重たいボールになり相手コートで大きく伸びていきます。
裏面ドライブも板厚が薄く軽量なためしっかりと振り抜くことができボールに力をしっかりと伝えることが可能です。
ここまで軽量且つ薄いラケットでなぜここまで威力が出せるのかは、上板がウォールナッツであることと、薄くても7枚合板であることの他にも秘密がありそうです。
これまで馬琳エキストラオフェンシブやインテンシティnctなど上板が硬い5枚合板がペンホルダー両ハンドドライブ型のブームでした。
しかしワラックは7枚合板なのでこれらの5枚合板ラケットよりもより威力のあるボールを打つことが可能です。
これからはワラックのようなタイプの7枚合板の時代が来るかもしれませんね。
また表ソフトとの相性も良かったのが印象的でした。
ペン速攻型も両面にラバーを貼っている方が多いですがやはり重さがネックになってしまっている方が多いです。
グルー全盛期にはクリッパーウッドのような重めで威力の出せる7枚合板にフォア表ソフトとバック裏ソフトといった劉国梁選手のような組み合わせが流行しましたが、近年ではラバーの重量化が進んだため重量と威力のバランス調整が難しくなりました。
しかしワラックは軽量で威力が出せるので表ソフト両ハンド速攻型には理想的なラケットだと言えます。
スマッシュ
7枚合板なので馬琳エキストラオフェンシブなどの5枚合板よりも弾く性能は高いのでスマッシュの威力は抜群です。
重たいラケットでスマッシュのスイングをすると重量のおかげで相手ボールには負けないもののスイングが遅くなるので自分のボールも遅くなります。
しかしワラックは軽量ながらパワーが出せるので相手ボールに負けずに素早いスイングで速いスマッシュを放つことが可能です。
吉田海偉の厚みと重さを大きいスイングでボールにぶつけて威力を出すタイプのラケットとは反対に、ワラックは軽さと弾みを活かして自らのスイングスピードをボールに伝えて威力を出すタイプのラケットだと思います。

◆守備系技術
ブロックはラケット自体が軽いのでやや押され気味になります。
インパクトの瞬間にパワー負けしないように体や腕を使う必要があります。
またカウンターも自分のスイングスピードを威力に変えて相手強打を打ち返すのでやはり腕や体の使い方をより意識しなければなりません。
意外だったのは粒高との相性です。
7枚合板と粒高の組み合わせでも、ラケットの板厚が薄いためボールが弾み過ぎることはありませんでした。
また上板に硬質のウォールナッツを使用しているのでより切れたボールを返球することが可能です。
加えて粒高と裏ソフトを両面にそれぞれ貼っても重量が軽いので切り返しがやりやすく、グリップが細いので反転もやりやすいためやはり両面にラバーを貼ってプレーすることを前提に設計されていると思いました。

◆台上
軽量なのでフリックでのスイングがやりやすかったです。
また操作性が高いので裏面チキータもしっかりとラケットを振り抜くことができ威力のあるボールを打つことができます。
台上はラケットの重量が重いと操作性が悪くなってしまいスイングが上手く出来ず棒球になってしまいます。
まずはワラックのような軽めのラケットでしっかりとしたスイングを身につけることが必要だと思いました。

◆サーブ、レシーブ
サーブは板厚が薄く硬いためボールが弾みすぎずに強い回転をかけることが可能です。
レシーブはやはり台上での攻めがやりやすいのでフリックやチキータなどの攻撃的なレシーブが得意です。

◆おすすめプレーヤー、ラケット構成
5枚合板にもうワンランク上の威力を求める方におすすめです。
馬琳エキストラオフェンシブなどの上板硬質タイプの5枚合板が主流ですが、ワラックは7枚合板なのでよりパワーを出すことが可能です。
裏ソフトや表ソフトと組み合わせると操作性が高く威力のあるボールが打てる反面、粒高との組み合わせでは弾みが抑えられ且つ回転のかかったボールを返すことが可能です。
種類を問わずラバーを両面に貼っても操作性が高いまま威力が出せるのでワラックは万能タイプのラケットだと思います。

◆まとめ
ワラックは7枚合板が重くて厚いというイメージを良い意味で覆すラケットだと思いました。
板厚が薄くて軽いラケットでここまで威力を出せるラケットの登場は木材ラケットの新しい可能性を広げると思います。
ラバーの種類を問わず尚且つジュニアやレディースにも使いやすい設計なので、本当の意味で万人受けするラケットだと思いました。