
投稿者:Pまん
[自己紹介]
32歳男性
戦型はペン粒。
粒に限らず変化表やアンチも好んで使い、いままでずっとシェーク異質でやってきましたが、よりトリッキーさに磨きをかけたいためにペンに変更しました。
粒高は主に長くて倒れやすいがコシのあるもの、球持ちがいい粒高が好みです。ペンならox、シェークなら物にもよりますがスポンジ0.5mmぐらいいれるのが好きです。
(カールP1R、オクトパス、ジャイロ、ファントム12∞など。)
学生で遊ぶ程度に卓球はやっていて、社会人で復帰して大会とかにも出るようになったので主な戦績はありません。東京の区大会で予選リーグは1位抜けをよくして、トーナメントでは最後まで勝ち上がれないかな、ぐらいのレベルです。
[レビューする商品名]
ヘルファイアX(ox)
[使用環境]
ジャックポット(中ペン)
赤:ヘルファイアX ox
黒:メイスブルースポンジ2.2mm 44°
反転を多用するのでどちらがフォアかバックは決めていません。
[はじめに]
wrmさんが有料のメンバーシップなるものを始め、それのゴールド期間限定会員入会の特典でいただいたラバー。
wrmさがんがやたら「高性能」を謳っていて、あまり自分はそういうことを言われると反骨精神が働いて惹かれないのですが、まぁ特典ということで入手。
さきに言っておきますがけっこう高性能なので特典でもらえるラバーとしてはかなり優秀だったので破格の特典だとは思います。
シートは透き通る感じがあり、ラケットにプリントがあるとけっこう透けるので注意。無難に黒をオススメします。
粒はやや硬めの円柱型、間隔は広いので硬さの割には実際打ってみると柔らかく感じました。シートがモチモチしてて、自分が気に入っていた旧LSDのに似た球持ち感を感じました(注意:旧LSDとはまったく違う性能です)
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
【フォア打ち】
あまり引っかかりが強い系の粒ではなかったので、普段つかっているファントムとかに比べれば持ち上げにくく回転も掛けにくい部類かとは思います。
ただ前に跳ぼうとする軌道を理解してあげれば、独自の球持ち感もありどちらかといえば打ちやすいほうかな?って印象です。軌道は山なりではなく直線的、滑るようなバウンドをするので相手としては打ちにくそうでラリーは続きにくいです。
粒をしっかり倒して前に振るってのがコツだとは思います。
【粒ドラ:ミート打ち】
普段私は粒高での攻撃をドラとミート打ちの打ち分けで行うのですが、この粒高に関していえばドラとミートの差別化が難しいと感じました。
シートのひっかかりは可もなく不可もなくドラっぽく打とうとしても軌道があがりづらく、持ち上げにくいです。ただ前に飛ばす意識をすると低い軌道で安定するイメージです。回転反転量もそれなりにあるので対上回転ではナックルが突き刺すようにローリスクで入ってくれるのはよかったです。ただ対強打や自分から強打しようとすると回転反転量が邪魔をして球が暴れやすくなるので注意です。相手の繋いだような上回転に対し丁寧に攻めてくと、自分は繋げただけなのに相手が落としてくることが多々ありました。
ミートもますっぐ打つと中途半端に硬めの粒が倒れにくいので、少し寝かせて一定方向に倒さないと球が暴れます。そういうこともあってあまり粒ドラとの差別ができないように感じました。
持ち上げるようなミート、前に叩くようなドラ、そんな打ち方がこの粒高には合っているように感じました。
対下回転でも同じように持ち上げにくいので前に飛ばす感じだと、回転も安定して球が安定します。持ち上げにくいということもあり、対下回転に関しては振るより、打点を早くしてプッシュ系の打ち方の方が合っているようにも感じました。
チャンスボール:
ちゃんと粒を一定方向に倒し強すぎない力で打つ必要があるかと思います。強いインパクトだと暴れる感が強い印象です。
【プッシュ】
下回転の量が多ければ難なく質のいいプッシュが打てると思います。めっちゃ速いとかではないですが、十分なスピードで安定してくれます。ただナックル系のツッツキにはあまり強気で押していけない感じがしました。中途半端な粒の倒れ方をするのでフワッと浮きやすいプッシュになりやすいので注意です。ただそのフワッとした感じに横回転とかが残ると大きな揺れが発生するのでわざと狙ってみるのもありかとは思います。
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
【ブロック】
ブロックはかなり好印象です。当てるだけブロックは回転反転量はまずまずで不安定です。だからといってしっかり振るブロックもインパクトに粒が耐えられなくて質の良いブロックはしにくかったです。
ただ、ちょっとだけ振ってくブロック、これがとてもいいです。弧線が低いのに収まりよく、振りの割にはよく切れます。練習時ならともかく試合で緊張の中、振り回される中、このちょっとだけのスイングでプレイできるのはとても楽に感じました。
試打相手曰く、見た目の割に切れているらしいです。
普段、ファントムを使用していますが、やはり自分からしっかり切っていくぶち切れ感はヘルファイアXにはありません。ただ強いインパクトを出さなくてもしっかり切れてくれるのはかなり広い範囲の方が気に入ってもらえるのではないでしょうか。
低弾性ですが、その軌道の低さということもあり短く止めるのは難しかったです。なので深く相手に中途半端に打たせて地味に高い回転半点量と安定したブロックで点をとっていくのに向いています。
【ツッツキ】
やはり反転量の高さがあだとなって自分から切っていくのは難しいです。しっかり寝かして切っていくには硬さを感じますし、倒さないで切っていくには柔らかさを感じました。
中途半端なナックルがでやすいので多用は難しいと感じました。
【カット】
ツッツキと同じような現象がおきるので自分から切っていくには中途半端には感じました。また低弾性なのでカットマンなどの後に下がって打つカットは飛距離が足りないようには感じました。
ただ後に下がっても軌道が浮きにくいので積極的にミスらせやすいカットになりやすいです。
[サーブ・レシーブ・台上技術]
【サーブ】
粒なので省略
【レシーブ】
プッシュ、ストップはフリックは無難にやりやすく、ツッツキが滑って浮きやすいので注意です。
やはり対ナックルロングのサーブに対しては不安定になりやすいですし、球持ち良く粒ドラで返しても速くもないので狙い撃ちにはされやすいです。
対ナックルロングは良い球質では返しにくいですが、選択支はそれなりにあるので的を絞らせないように散らしてごまかしましょう。
対ナックルに対してはなかなかコントロールが難しいですが、後述にもありますが【揺れ】が非常に発生しやすく、低弾道ということもあり、とりあえず入れていけばそこまでチャンスボールにならないのが気に入りました。特にちょっとでも横回転が混ざっていると揺れも激しくなるので不思議な返球になりやすいです。
【フリック】
粒を寝かせて球持ちよくすればやりやすいです。スピードはでませんが。
表みたいに板っぽく打つと不安定になるのでオススメしません。
【ストップ】
そこそこ回転に鈍感で、そこそこ弾まないので無難にやりやすいとは思います。低弾道も相まって積極的に使っても狙い撃ちはされにくいかとは。
[おすすめな方]
ブロックとプッシュを主体に構築する一般的なペン粒でしたら広い範囲の方にオススメします。特に扱いは難しくなく、粒は倒れやすい物のそこまで強打に弱くないので本当の初心者、がっつり上級者じゃなければ扱いやすく感じるのではないでしょうか。
逆にオススメできない方としては、粒の基本を抑えていない方はもちろん、相手の回転に合わせて振ることがきない方は不安定になりやすいと思いますのでオススメしません。逆にちょとでも振ることができれば、振りのインパクトが弱くてもこのラバーのうま味は引き出せるのではないでしょうか。
また自分からしっかり力強く振っていく方にはオススメしません。そういう方には粒の硬さが頼りなく感じるとは思われます。
そして粒の回転反転量や揺れに頼らずコース取り重きを置いたプレイをするかたにはオススメしません。プッシュも速くなく、ちょっとでも横回転が混ざると軌道が不安定になり精密なコントロールはしにくいためです。ネットを超えてコートに収まるという意味では安定しやすい粒高だとは思いますが、確実にワンポイントを狙うという意味ではコントロールしやすいものではないと感じました。
[まとめ]
・基本的に苦手な技術はない
・全体的に低弾道
・揺れが大きく頻繁にでやすい
・相手に回転にちょっと合わせて振るスイングができれば簡単に質の良いボールがでやすい
・逆に当てるだけ、強インパクトの技術には頼りなさを感じる。
[補足]
【揺れ】
揺れの定義も使い手によって違うと思いますので、あくまでも私の揺れの定義を明らかにしておきます。
打った球が空中で左右上下のどこかに軌道が変わることを私は揺れと呼んでいます。ただしっかり回転が掛かってその回転の方向に軌道が安定して曲がる物は私は揺れとは呼んでいません。規則的ではないタイミングで軌道が変わる物を揺れと呼んでいます。
この揺れは無回転に近い状態でも発生するときもありますし、しっかり回転が反転したときにも発生するので単純に回転量ではないと思われます。揺れの発生しやすい粒高、しにくい粒高があるのは確かですが、どういったものが発生しやすいかはまだ私の中で定義づけは出来ていない状態です。
で、このヘルファイアX、揺れに関しては今までのラバーの中で最高の部類だと思われます(プラに変わってから)。グラスもよく揺れるとはいいますが、球がゆっくりなぶんヘルファイアXのほうがよく揺れが発生するようには感じます。
今まで私はプラに変わってから揺れなんて微々たるもので、発生タイミングも不確かな物だったので得点に繋がらないものだと軽視していました。
相手の打球がちょっとでも横回転が混ざり、自分は空気にぶつけるような打法(プッシュ)を行えばだいたいは揺れてくれます。
揺れる範囲も広く、【自分はバックにプッシュし、相手もそれを呼んでドンピシャで回り込みで待たれていても、フォア側に流れて体勢を崩させて打たせた】ということが多発しました。ときには大きく空振りすることすらありました。
この揺れの大きさは、精密なコントロールは難しくなるものの、相手のタイミングを崩す上ではかなり有用に思えました。
[その他(DVDのレビューはこの欄にお書きください)]
【似た系統粒高でのざっくり比較】
(自分で使ってきた粒にあまり似たものはないが、無理矢理比較対象をチョイス。一番近いのがNo.1かとは)
比較対象
・No.1
・陳
・トリックマスター
弾み
陳≧X≧No.1≧トリック
回転反転量(当てただけ)
トリック ≧No.1≧X>陳
回転反転量(振っていく)
X≧No.1≧トリック≧陳
球持ち感
陳≧トリック≧X≧No.1