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投稿者:ぬりかべ

1.ざくっとレビュー
 「当てるだけでも止まる・曲がる・揺れる」のオートマチック性能と、「切る切らない」のマニュアル性能を兼ね備えた、ハイブリッド型中〜上級者向き粒高ラバー。

2.第一印象
 粒の半径は通常かやや大きめ。粒と粒の間隔は若干広いようです。触った感じは柔らかめで、貼り付ける段階ではシートがペラペラでした(これは、Hell Fireも同じでしたが)。重さは、グリップの根元まで貼って14g(接着シートぶんの重さ除く)。球突きをした感じでは、シュメルツよりも柔らかく、弾みは同じかやや弾むぐらいでした。

※以下の点数は、すべて「粒高として」の点数です。
3.攻撃技術
 プッシュ 8.5点
 スマッシュ 8点
 ドライブ 9点
 プッシュでは、弾道が直線的になるので、バウンド直後を捉えるときは若干力を押さえて打つ必要があります。また、ツッツキをバウンド直後に捉えると適度に前進回転のかかった実に素直な弾道になり、カウンターされやすいボールになってしまいます。しかし、ボールの頂点を捉えて切り落とすように押すと、直線的に跳びつつも相手の手元で揺れるいやらしいボールになります。頂点から押すとナックルサーブに対しても揺れが出るので、「ナックルサーブに対するプッシュをカウンターで狙われる」というパターンをかなり防げるかと思います。また、バウンド直後でもラケットを横にスライドさせると「揺れる」「曲がる」の変化が強く出ます。相手のボールに横回転がかかっている場合もボールは大きく曲がるので、自分がサーブのときは横回転系のサーブを出して相手のボールに横回転が残るようにしても良いでしょう。バウンド直後を直線的に押すだけでは相手にカウンターされることが多いかと思いますが、複数の打法を使い分けられる技術があれば、プッシュは大きな得点源となります。
 スマッシュは、粒がやや柔らかいぶん「ぐにゃ」っとした打球感があり、弾きにくさを若干感じました。スピードは粒高としては標準的ですが、揺れが強く出て、しかもラケットに当てても落ちてしまういやらしい球質になります。「ぐにゃ」っとした打球感があるぶん球持ちも若干あり、トップスピンをかけて弾道を安定させることもできます(その場合は揺れが小さくなりますが)。
 ドライブでは、球持ちの影響もあってきれいに上回転がかかり、弾道が安定します。打ちやすさはスポンジ入りの粒高に匹敵すると言って良いかと思います。ラバーの弾みが良いわけではないのですが、強く打っても回転がかかってくれるので、つなぎのドライブだけでなく決定力のあるドライブを打つことができます。なお、練習相手は「先生、これは前進回転がきれいにかかっていて、普通にドライブですよ…」と感想を述べていました。
 フォア攻撃では突出した威力はないものの、ドライブの打ちやすさ+スマッシュの取りにくさがあるので、ドライブとスマッシュの打ち分けでかなり点が取れるかと思います。

4.守備技術
 ブロック 9.5点
 ツッツキ 6.5点
 カウンター 7.5点
ブロックでは、普通の粒高と比べて弾道が低く、当てるブロックではボールが相手コート深くに入ります。(深く入るぶん)シュメルツほどの極端な低弾性ではありませんが、強打をきっちり抑えることができ、安定感は高めです。当てるだけでもボールは「揺れる」「曲がる」「伸びる」「落ちる」と弾道の変化は大きめ(そのぶん、コントロールに若干難しさはありますが)。当てるだけでは下回転はかかりませんが、カット性ブロックで切り落とすとGrassDtecsほどではないものの強く下回転がかかり、相手のコートに「ふわっ」と短めに返ります(弾道は低いまま)。カット性ブロックだけを使っても相手からするとやりづらいラバーですが、そこに当てるブロック(=切れていない)」を混ぜることでそのやりづらさは倍増します。普通に当てることによる深くて弾道が変化するブロック、切り落とすことで切れて短めに返るブロックと、ブロックによる球質のバリエーションが多く、粒に慣れている練習相手(市ベスト8クラスの男子中学生)が「ボールは全部低いのに、切れたり切れなかったり、短かったり長かったり、本当に厄介」とこぼしていました。
ツッツキは、標準的な粒高OXと同じでほとんど切れません。その代わり、裏ソフトのツッツキと同じような弾道とスピードで跳んでいくため、相手に切れたツッツキと勘違いさせてミスを誘うことができるかと思います。また、相手の下回転に対してプッシュとツッツキを混ぜることによって、緩急をつけたり時間をつくったりするといった使い方も可能です。自分には、裏面の裏ソフトによるツッツキとのコンビネーションでミスを誘うプレーが好感触でした。
 カウンターは、ドライブに対してボールの真後ろをとらえると、球持ちの影響から回転の影響をもろに受けて、あらぬ方向に跳んでしまいます。しかし、ボールの横をとらえて打つと回転の影響はあまり受けず、どナックルの直線的なボールが返ります。あまりスピードはありませんが、ブロックに時折混ぜるとかなり意表をつけるかと思います。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 レシーブ 9点
 台上技術 8.5点
 レシーブに関しては、シュメルツあたりと比べると若干回転の影響を受けやすいように感じました。しかし、プッシュのところで述べたようにレシーブ全般の弾道が低く、ナックルサーブに対しても横揺れの変化が出るため、相手に3球目強打を食らう確率はかなり下がるかと思います。また、相手の横回転に対しては揺れや曲がりの変化が大きく、練習相手が3球目を空振りすることもしばしば。下回転へのレシーブはきれいな上回転で返ってしまうので相手にカウンターで狙われやすくなってしまいますが、プッシュのところで述べたように上から押す、横にスライドさせるといったプッシュを混ぜることでカウンターの狙いははずせるかと思います。フリックやドライブも打ちやすいので、レシーブはプッシュにしぼらない方が良いかもしれません。
 台上技術では、フリックがかなり好感触です。スピードはさほど出ませんが、ドライブのところで述べたように球持ちがあるので上回転をかけやすく、少々強く振っても勝手に飛んで行ってしまうことがないのでコントロールも良く、相手を振り回してチャンスメイクしたり、ストップのフォームからフリックしたり、といったプレーに向いているかと思います。ストップも、下回転こそほとんどかかりませんが、短く低く抑えることが用意なので、フリックやプッシュとのコンビネーションでかなり効果を発揮するかと思います。試しに裏面での粒チキータに挑戦しましたが、球持ちのおかげで安定して入りました。同じく裏面でのリフトにも挑戦しましたが、これは球持ちの良さが裏目に出てオーバーミスが多く出るように感じました。

6.お勧め構成
 基本的には、完全な守備用よりもオールラウンドあるいはやや攻撃寄りのラケットに合うかと思います。理由は
 …稈得なので、多少弾むラケットに貼ってもブロックはしやすい
 攻撃の安定感は高いが、スピードそのものはあまり出ないので、ラケットの力で補う必要がある
 5綮ちがいいので、弾みを抑えたラケットに貼ると、球持ちが良すぎて回転の影響を強く受ける
の3つ。具体的には、極守兇茲蠅聾玄蕕簣造龍砲澆△燭蠅より適しているように思います。まだ1時間程度しか試していませんが、斬守に貼ったところ、ブロックがやりやすいのにプッシュの威力がかなり出たので、斬守との相性も上々かと思います。

7.どんな人にお勧めか
 当てるだけでも変化が出ることを考えると粒初心者でも使えそうですが、一般的な粒高と比べてボールのコントロールにやや難があること、このラバーの最大の売りである球質の大きな差を出すには打法のバリエーションが必要なことを考えると、「切る・切らない」「擦る・弾く」などの打法の打ち分けができる中〜上級者向きかと思います。
 ブロック力がとびぬけて高いので基本的にはブロックマン向きですが、ドライブや台上攻撃の安定感も高いことを考えると、粒高でフォア攻撃を多用するタイプでも満足できるかと思います。止め専にも攻守型にも安心してお勧めできる粒と言ってよいでしょう。

8.総合評価
 ペン粒が使うのであれば、ブロック力における揺れ・切れ・安定性の各要素のレベルが高く、なおかつ変化幅の大きさが粒高ラバーの中でも群を抜いているので、止め専であれば9.5点をつけて良いラバーかと思います。プッシュやスマッシュの威力は今一つなのですが、攻撃の安定感も高いので、粒で積極的に打っていきたい選手にも9点以上をつけて良いかと思います。
 仮に粒初心者が使う場合、先述した理由(扱いの難しさ)から7〜7.5点ぐらいかと思います。

9.その他
 シュメルツを貼ってから試合用の粒高はずーっとシュメルツだったのですが…これはヘルファイアXに乗り換えですね。ブロックの性能がとびぬけて高く、自分のウィークポイントであるフォア攻撃が安定するので、「使わない理由がない」という感じです。大ヒット予告も納得ですわ。