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投稿者:ぬりかべ

der-materialspezialist社 STORKRAFT(赤・1.6mm)
 ※THIBAR社幻守L中国式に貼りました。裏面はTSP社トリプル(黒・厚)です。

1.ざくっとレビュー
 der-materialspezialist社のアンチラバーの中でもっとも使いやすく、「返しやすさ」に特化した、攻撃力無視の『攻撃選手がこれ以上なく嫌がる』完全守備向きラバー。

2.第一印象
 重量は、パッケージ込で71g→ラバーのみ42g→グリップの根元から1.5冦イ靴禿修辰藤横僑隋ラケットサイズとスポンジの厚さを考えると、かなり軽い部類ですね。
 スポンジは気泡小さめの赤スポンジ。リフレクションやディアボリックエクストラスローと同じスポンジでしょうか。der-materialspezialist社のアンチを知らなければ、まずアンチ系スポンジには見えません(いかにも弾みそうな外見)。
 シートはほとんど引っ掛かりがなくてカチカチ。粒の高さは一般的な裏ソフトやアンチラバーよりも高いようです(スピンパラサイトSPはかなり低めでした)。
 球突きをすると…本当に弾みません。普通に突いているぐらいではだんだん跳ねが小さくなり、強めに突いてやっと球突きが続くレベル。der-materialspezialist社のアンチの中でも、弾まなさは癸韻任△襪茲Δ忙廚い泙后

3.攻撃技術
 プッシュ 5.5点
 スマッシュ 4.5点
 カウンター 4.5点
 ドライブ 評価不能
 プッシュに関しては、ブロック時のようにスポンジがボールの勢いを吸収してしまうので、威力のあるプッシュはなかなか難しいですね。ただし、角度調節はほかのアンチほどシビアではなく、多少雑に打っても対下回転でも対ナックルでも安定してプッシュが入るように感じました。一発で打ち抜くというよりも、コースを突くプッシュを連発するスタイルにあっているかと思います。基本的に速いボールは出せないので、「遅いボール」と「もっと遅いボール」を組み合わせるか、裏面打法や反転攻撃と組み合わせるとかなり効果があるかと思います。
 スマッシュに関しては…プッシュ以上に跳ねません。強く打てば打つほど威力がラバーに吸収されるように思いました。スウィングの割にボールが遅くて跳ばず、球質はドナックルで「当てると落ちる」ため最初の何本かは相手に通用すると思いますが、相手に慣れられてちょっと下がったところで待たれると、スピードがないのであっさりカウンターを食らうことになります。基本的にスマッシュを得点源とするのは難しいのですが、反転攻撃を得意とするタイプであれば、むしろ球質の差の大きさで点を稼ぎやすいかもしれません。
 下回転に対してドライブを打ってみましたが…ラバー表面でボールがスリップするため、ドライブのフォームではまずボールが入りません。ラケットをやや上向きにして角度打ちをすると安定してボールが入りますが、いかんせん威力がありません。ミスなくカット打ちするには申し分ないのですが。
 カウンターは…スマッシュと同様にラバーが威力を吸収してしまい、全く威力が出ません。普通にブロックするよりも相手コートに深く入るので、相手の攻撃に対して長短の変化をつけて返すにはいいのですが…。カウンターを打つ技術があっても、ブロックの方が良いように思います。
 総じてこのラバー単体の攻撃力はかなり低く「攻撃性能完全無視」は決して誇大広告ではありません。しかし、攻撃のほとんどが遅いナックル性のボールであるため、裏ソフトでの攻撃を混ぜると回転量とスピードの緩急の差がかなり大きくなります。反転や裏面による攻撃を多用するタイプであれば、決定力が通常以上に跳ね上がるかと思います。

4.守備技術
 ブロック 9.5点(球質の変化8.5 前後の揺さぶり9.5 止めやすさ10)
 ツッツキ −点(評価不能)
 ブロックに関しては「とにかく短く止めやすい」ことが最大の特徴でしょう。相手がどれほど強く打ってきても、当てるだけでだいたい2バウンドで止まります。また、プッシュのところでも触れたように角度調節がほかのアンチラバーよりもシビアではありません。高校生との練習では、表ソフト・裏ソフト・粒高・アンチと様々なラバーでの攻撃を受けましたが、面をやや上向きにして当てれば自然と返ります。返しやすさは「類を見ない」というレベルです。基本的に、当てるブロックではかなり短く返り、落としブロックではやや球足が長くなるように感じました。また、落としブロックの球足の長さはフォロースルーの大きさに比例するように思います。ブロックの長さが調節しやすいので、普段はフォロースルー大きめの落としブロックで長めに返球し、時に当てるブロックで短く落としてミスを誘う(あるいはその逆)、といった前後の揺さぶりがかなり有効でしょう。スピン反転量は、動画で説明があったようにあまり大きくはありません。基本的には当てるブロックでも落としブロックでもナックルかちょい切れの下になる程度です。しかし、(私の場合)フォアで落としブロックをすると表面でボールがスリップしてスピンが反転し、なかなか切れたブロックになりました。おそらく、スウィングスピードが速ければスリップによってスピン反転量が多くなるのではないかと思います。バックでも、素早くスウィングすれば切れたカットブロックができるのかもしれません。もしそうなれば、「切れる」「低い」「短い(のに長くもできる)」「球質の影響を受けにくい」と、ブロックに関してはストロングポイントしかないことになりますね。
 ツッツキは、まずほとんど切れません。しかし、弾道がかなり低いので相手に上から叩かれにくく、しかも一見切れているような跳び方をするので、プッシュと混ぜて弾道の変化で相手のミスを誘ったり、反転や裏面での裏ソフトでのツッツキと混ぜてチャンスボールをつくったり、ネットミスを誘ったりというプレーに適しています。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 レシーブ 9点
 サーブ −点(評価不能)
 台上技術 7点
 レシーブに関しては、相手の回転やスピードの影響をほとんど受けません。アンチラバーの大敵であるナックルサーブもあっさり返せます。レシーブ時はサーブのコースにのみ集中していればよいので、「返す」ということに関してこれ以上やりやすいラバーはないでしょう。こちらの返球はほとんどナックルになりますが、弾道がかなり低いので相手に3球目で上から叩かれる心配がなく、レシーブ攻撃で主導権をとるところまではいかないものの、相手からサーブによる優位性を奪うことができます。プッシュなどでレシーブ攻撃を決めたいタイプには向きませんが、相手が強打しにくいボールを送ってラリーに持ち込むタイプにはうってつけかと思います。また、相手の横回転に対して逆回転を与えるように擦るとボールがラバー表面でスリップし、ボールが不規則な変化をします(トランスフォーマーほどの変化は出ませんが)。
 台上技術では、相手の回転を無視できるので安定感は抜群です。フリックやリフトは威力がありませんが、ストップがボールを低く短く抑えやすいため、「ストップで相手を前に寄せる」「相手がストップを予想して前に寄ったところに、フリックで深くボールを送ってミスを誘う」といったパターンが効果的に使えます。台上攻撃の威力で点を取るのは難しいのですが、台上技術による前後の揺さぶりのしやすさには素晴らしいものがあります。

6.お勧め構成
 合わせるラケットですが、幻守Lでは全く弾みません。守備用ラケットに貼ると、プッシュの威力はほとんど出ないかと思います。少なくとも、ALL+ぐらいの弾みのラケットに貼ったほうが良いでしょう。また、ラバー自体がかなりボールの勢いを吸収してくれるので、攻撃用ラケットに貼り、反対側にスピン系テンションを貼ってこのラバーとの球質の差を大きくすると良いかと思います。回転を作り出すために粘着極薄という手もありますが、スピードの差を大きくするためにある程度厚さのあるラバーの方が良いかと思います。
 WRMさんで扱っているラバーの中では、ゴールデンタンゴPSあたりが回転量とスピードの差を大きくできるのでお勧めです。

7.どんな人にお勧めか
 このラバー単体では攻撃力がほとんどないので、基本的にはシェークの異質攻守型が使ってバックとフォアの球質の差を生かすと良いかと思います。相手からすると、自分の攻撃をこのラバーでさんざん攻撃を返されたところにスピードのあるドライブを撃ち込まれたら、まず返せないでしょう。ペンであれば、反転せずに粘りまくるタイプよりも反転攻撃や裏面攻撃ができる選手が使うと良いかと思います。とは言え、止め専タイプがこのラバーで徹底的に粘ったら…かなり嫌ですね。

8.総合評価
 フォア攻撃を得意とする、シェーク異質攻守型が使うには9〜9.5点をつけて良いかと思います。ペン粒(あるいはアンチ)が使うのであれば、反転攻撃や裏面打法を多用するタイプなら9点、ブロック&プッシュで点を取るタイプの選手であれば、プッシュによる得点がほとんど望めないことを差し引いて8点前後というところでしょうか。しかし、練習相手(県大会出場経験のある高校生&中学生)からは「普通の粒よりも、こっちの方が絶対に嫌」「今までに対戦したラバーで一番うっとうしい」というお褒めの(?)言葉をたくさんいただきました。「相手の嫌がり度」は10点なのかもしれません

9.その他
 der-materialspezialist社のラアンチラバーは、他社のものよりシートの摩擦力が極端に少なく「変化は大きいが扱いが難しい」ものが多いのですが、このラバーは同社のアンチラバーの中で最も扱いやすく、しかも相手の回転やスピードの影響を受けにくいため、「返す」「入れる」ということに関しては抜群の性能を誇ります。そのため、相手からすると「どんなに頑張ってもあっさりボールが返される」と感じるらしく、かなり嫌がられます。自分が使っていると「攻撃の威力が出ない」「変化がほかのアンチと比べて少ない」と一見ポテンシャルがさほど高くないように感じますが、よく考えたら、守備型の一番の生命線である「返しやすさ」ということに関してはとんでもない性能の高さを持っていますね。