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投稿者:ぬりかべ

DARKER社(WRM特注) 斬守中国式
 ※表面:HellFireX(赤・OX)、裏面:キョウヒョウ轡拭璽椒レンジ(黒・中)
 ※JOOLA社のニスを二度塗りしています。
 ※89gの個体でも試打しました(表面はシュメルツ、裏面はスーパーヴェンタス1.8mm)

1.ざくっとレビュー
 攻撃用としても守備用としても十分に合格点と言って良い性能を持つ、とびぬけた「総合力」をもつ異質攻守型向きラケット。

2.第一印象
ラケット本体は76g。軽い個体をお願いしたこともありますが、中国式としてはやや軽い部類に入るかと思います。ラケットサイズは公表値157mm×150mmとのことで、実際にほかの中国式と比べても小さめであるように見えます。重心は先端寄りにあるように感じました。
合板構成は、木材6枚の真ん中にCNF(柳、シナ、柳、CNF、柳、シナ、柳)。厚さは、電子ノギスで測って5.6mmでした。グリップは最近多いコニック(円錐)ではなく、ストレート(円柱)型。グリップの根元(ブレード側)以外ほぼ同じ厚さ・幅となっており、全体的に分厚い印象があります。また、根元の平らな部分が通常だと2mm程度であるのに対し、斬守は約4.5mmもあり、グリップのところに人差し指をひっかけやすい作りになっています。グリップの形状から考えると、日本式ペンの人が斬守を使ってもほとんど違和感がないかと思います。
 合板構成を考えると「軟らかくて弾まない」ように思いますが、実際に球をついてみると「軟らかくてそこそこ弾む」という感じです。CNFの効果でしょうか。
 素振りをしてみると、「振りぬきやすい」という印象があります。普段ブレード大きめのラケットばかりを使っているので、斬守と普段のラケットでは空気抵抗に差があるのではないかと思います。

※技術によっては粒のみ、裏のみ、粒裏両方で試打しています。
3.攻撃技術
 プッシュ 9点(粒)
 ドライブ 8点(裏)8.5点(粒)
 スマッシュ 7.5点(裏)8点(粒)
 攻撃全般で言えることですが、斬守は適度な弾みと球持ちがあり、オフェンシブのラケットと比べても遜色ない攻撃力があります。
 まずプッシュでは、スピードのある直線的なボールが飛びます。ブレードが小さいぶん操作性が高く、連打性能もかなり高め。使っているラバーがHellFireXということもあって若干の球持ちがあるため、単に弾くだけでなく前進回転をかけて弾道を弧線にすることもだきます。さらに、弱く打つとかなり短めに落とすことができ、緩急のつけやすさも抜群。一発で打ち抜くプレー、連打で決めるプレー、緩急でミスを誘うプレーとどのタイプにも使いやすく、プッシュに関しては全く穴がないと感じました。
 ドライブに関しては、裏ソフトでは適度な球持ちのおかげで回転量豊富なドライブを打ちやすく、安定感はかなり高め。自分のスウィングとの相性もあるのでしょうが、「イメージ通りの弧線が出る」と感じました。スピードもまずまず出るので、一発で打ち抜くドライブも可能です。粒高でのドライブは、裏ソフトのドライブの印象と比べるとスピードは出ませんが、守備用ブレードと同じぐらい(極守兇噺玄Lの中間ぐらい)にボールをしっかりつかむ感覚があり、ある程度弧線を描いてくれるので安定感はやはり高め。また、ブレードサイズの影響で操作性が良く、連打しやすくなっています。粒高のドライブでは一発で打ち抜けないまでも、つなぎに使う、連打で決める、球質に変化をつける、といったプレーに適しています。
 スマッシュは、粒でも裏でもスピードは「まずまず」ですが、どちらも球持ちを生かして「前進回転をかけて弾道を安定させる」打ち方がやりやすく、安定感は高め。コントロール性能も高いと感じました。スピードは若干物足りなさを感じましたが、あくまでもこれは攻撃用ブレードとして。守備用ブレードとしては上々といってよいかと思います。安定感と弾みのトータルバランスは高い部類に入るのではないでしょうか。

4.守備技術
 ブロック 8.5点(粒)
 カウンター 8点(裏)
 ツッツキ 7点(裏)
 守備技術全般で言えることですが、オフェンシブのブレードに近い攻撃力を有するのに、守備に回るとディフェンシブのブレードに近い性能を発揮します。
 特にその傾向が顕著に出るのがブロック。まず弾道が低く、普通に当てるだけでもよく止まるのですが、ボールに対して斜めにラケットを入れるカット性ショートや横回転ショートは守備用ブレードに近い止まり方をします。スピン反転量は、幻守に比べるとやや少ない気がしましたが、これは板厚の影響があるように思います(個人的には、薄い方が反転するイメージがあります)。その代わりに「切らない」ブロックが比較的やりやすく、カットブロックで粘り切ることも可能な性能を持っていますが、切る・切らないの変化をつけるとこのラケットの真価を発揮できるように思います。
 カウンターに関しては、守備用ブレードのような「当てやすさ」はありませんが、操作性が良いぶんカウンターからの連打がやりやすくなっています。また、球持ちの良さのぶんオートマチックに前進回転がかかるようになっており、多少雑に打っても台に収まるように思いました。
 ツッツキに関しては「球持ちが良いぶん切れも良いのでは」と思いましたが、切れは「オフェンシブとしては良い方」というレベルですね。守備用ブレードのツッツキの切れと比べると、やはり落ちてしまいます(比較の対象が高すぎますね)。ツッツキのスピードの緩急はつけやすく、ストップと早く長いツッツキで相手を詰まらせる、というプレーに適しているように思います。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
 サーブ 8点(裏)
 レシーブ 8点(粒) 8点(裏)
 台上技術 9点(粒・裏)
 サーブに関しては「ブレードが小さいぶん回転をかけにくいのでは」と思っていましたが、回転は良くかかります。重心が先端にあるぶんスウィングスピードを出しやすく、ロングサーブの威力は回転・スピードともに上々。ショートサーブの回転もまずまずですが、幻守Lや極守兇里茲Δ福屬瓩辰舛かる」ラケットに比べると若干落ちます。練習相手(県大会出場の中学生)の話では「短いサーブの威力はごく普通」「高速巻き込みサーブ(裏面)と高速振り子サーブは、回転量が多い上にスピードのせいで回転が見分けにくいから、かなり取りにくい」とのことでした。ロングサーブからの展開を得意とする選手に向いているように思います。
 台上技術では、粒でも裏でもフリックはボールをしっかりつかむ感触があり、安定感とコントロール性能はかなり高め。スピードもまずまず出る上に、操作性が高いため「フリックからのスマッシュ」「フリックからの反転攻撃」といった4球目攻撃がかなりやりやすくなっています。裏ソフトによるチキータや台上ドライブも回転がかけやすく、強く打っても台に収まる安心感があります。ストップでは、粒・裏ともに低く短く止まってくれるので、フリックとストップのコンビネーションが効力を発揮しそうです。
 レシーブでは、全体的にボールが低く直線的に跳んでくれるので、3球目攻撃で上から叩かれることが少ないように思います。ただし、直線的であるぶんバウンド直後を捉えるとネットミスになりやすいため、できるだけバウンドの頂点を捉えるように意識する必要がありますが。先述したようにフリックや裏面チキータが安定して入り、プッシュの威力もあるため、攻撃的なレシーブで先手を取るプレーに適しているように思いました。そのぶん、「安定して返球する」という点では守備用ブレードよりも若干劣るかと思います。

6.もう一本(89g、シュメルツ使用)の試打から
 シュメルツとの相性が良い、と情報を得たので2本目はシュメルツを貼って使用しました。守備技術全般では「斬守はどちらのラバーの性能もいい感じで引き出している(HellfireXは変化、シュメルツは止めやすさが秀でている)」という感じで、どちらかの相性が特に良い、という感じはありませんでした。しかし、攻撃技術全般では「シュメルツの方が、斬守によってより性能が高くなっている」という印象を持ちました。具体的には「スマッシュやプッシュのフラット系打法は、安定感はそのままに威力が上がっている」「ドライブの威力はそのままに安定感が上がっている」という感じです。これはラケットの重さによる影響もあるのでしょうが、ラケットが軟らかめであるぶん硬めの粒の方がバランスが良くなる、ということかもしれません。2枚を試打して、斬守との相性はHellfireXも上々だが、シュメルツはさらに良い(攻撃性能を高める)と感じました。
 ラケットの重さに関しては、89gのラケットが来た時には「重いけど大丈夫かな…」と若干不安になりましたが、特に重さに振り回される感覚はありませんでした。ラケットサイズが小さいぶん操作性が良いので、重さによるデメリットが他のラケットよりも小さいのかもしれません。

7.お勧め構成
 裏ソフトによる攻撃の威力・安定感ともに高いので、裏面のラバーは極薄を貼ってサーブのみに使うよりも、粘着テンションやスピン系テンションを貼って反転攻撃を多用すると良いかと思います。粒は先述したように硬めの粒の方がより性能を引き出せるように思います。具体的には
 裏ソフト:木星ブルスポ、ゴールデンタンゴPS、NexxusEL Pro50、ラザンターR53
 粒高  :シュメルツ、プレデター
あたりでしょうか。とは言え、このラケットは攻撃用、守備用どちらとしても性能が高いので、普段使いのラバーをそのまま貼っても全く問題ないと思います。

8.どんな人にお勧めか
 先述したように攻撃用、守備用としても性能が高いので、異質攻守型が使うのであれば誰が使っても良い、というのが正直なところです。とは言え、もしピンポイントでお薦めするのであれば
 ー虍用ラケットを使っていたが、もっと攻撃性能を高めたいと考えている選手
 攻撃用ラケットに粒を貼っていたが、うまくコントロールできなくて困っていた選手
ですね。自分は「止め専」から攻守型に切り替えたいと考えているので,謀てはまるかな…。△蓮特にシェークバック粒の選手に多いのではないでしょうか。
 このラケットは「攻撃も守備も良い」のですが、決して両方の性能がとびぬけて高いわけではありません(そんなラケットがあればみんなが使いますね)。とびぬけて良いのは攻守の「総合力」なので、ラケットの真価を発揮しようと思ったら最低限ブロック・プッシュ・フォア攻撃あるいは反転攻撃ができる必要があるかと思います。粒初心者でも十分に使えるラケットですが、できれば中〜上級者に使ってほしいですね。

9.総合評価
 ペン粒であれば、ブロックマンなら8~8.5点、ブロックを柱にしつつプッシュを多用するタイプの選手なら8.5〜9点、反転や裏面打法も含めて攻撃を多用するタイプであれば9.5点をつけて良いかと思います。シェークバック粒の選手なら、守備メインの選手でも8.5〜9点、フォアをガンガン振っていく選手なら9点をつけて良いかと思います。

10.その他
 守備に特化したラケット、守備用でありながら攻めやすいラケットはありましたが、ここまでの守備力を持ちつつ攻撃も良い、というラケットはちょっと記憶にないですね。守備用としても攻撃用としても70〜80点(60点を合格ラインとして)ぐらいの性能を持っていると感じました。最近「もっと攻撃を入れないと」と感じているところだったので、この機会に斬守に乗り換えます。
 斬守を使っていて、性能以外に重要なことがもう一つ。それは「ブレードサイズが小さいこと」です。ほかのラケットに貼っていたラバーであれば斬守への貼り替えが簡単。新しくラバーを買う必要がないので、ラケットの乗り換えにかかる費用がほかの粒高向きラケットと比べて安く済みます。地味ですが、なかなか嬉しいことですね。