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投稿者:ザーシー

[自己紹介]
  ・卓球歴 約15年
  ・戦型 普段はペンドラ+粒高ですが、時々シェークも使います。

[レビューする商品名]
  テナジー19(Butterfly)

[使用環境]
  ・使用ラバー
  テナジー19 赤 トクアツ

  ・使用ラケット
  吉田海偉
  馬林エキストラオフェンシブ-中国式
  幻守-中国式
  レボルディアCNF-FL
  張本智和インナーフォースALC-FL
  松下浩二-ST

[はじめに]
  テナジー19は2021年の新製品としてバタフライから発売されたハイテンション裏ソフトラバーです。
  ディグニクスが発売されて約2年が経過したタイミングでのテナジーの新作のリリースには正直驚かされました。
  この度のテナジーのナンバリングは大方の予想である「09C」を外してまさかの「19」です。
  開発コードNo.219というツブ形状を採用し、その下二桁から「テナジー19」とネーミングされたそうです(※開発コードNo.180→テナジー80と似ています)
  No.219のツブ形状は「細いツブを密集させる」をコンセプトにしており、1.5mmの細さのツブをルールで許される範囲内の限界まで密集させているようです(※05のツブの太さは1.7mm)
  テナジー05と比較するとテナジー19はツブを細くすることで打球時にツブが倒れやすくなり、ラバー表面で滑らずにより食い込むようになっているようです。
  またツブが細い代わりに密集していることで、ボールを打ち返す際にはより多くのツブの力で押し返すことが可能です。
  ざっくり言えば太さではなく数でパワーを加える工夫がされているということです。
  一般的にツブを細くすれば食い込みが良くなる代わりに力が弱くなり、ツブを太くすれば力は強くなるものの食い込みが悪くなるという相反する性能を、「細く密集させる」ことにより食い込みが良く押し返す力も強いラバーに仕上がっているということです。
  シート表面はテナジーシリーズらしい透明感のある発色具合で05と並べると確かに細く密集しています。
  またシリーズ共通の弾力があるスプリングスポンジも搭載されています。
  全く新しいツブ形状を採用したテナジー19の性能や、「ディグニクス」ではなく「テナジー」でリリースしたことのメリットなども意識しながら試打をしてきました。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  ・基本打ち
  球持ちが良くラバーがボールをしっかりと捉えてくれます。
  元々ボールを掴む感覚が強いテナジーシリーズの中でも最高レベルに掴んでくれると感じました。
  25よりは05、05よりは19の方がボールの食い込みが良いので、ツブ形状を細くすると食い込みが良くなることを実感できたような印象です。
  テナジーFXシリーズのような食い込みの良さとソフトな打球感を誇るので、これからボールを掴む感覚を覚える方にも使いやすいラバーだと思います。
  また打球後は勢い良くボールが飛び出していきます。
  個人的には掴む感覚の強さよりも、打球後の飛び出す勢い強さの方に驚かされました。
  テナジー05ハードまではいかないものの、テナジー05よりは確実に飛び出しが強いと感じました。
  テナジー19はFXシリーズのようなソフトタイプのラバーの食い込みの良さと、テナジーシリーズ以上の打球の勢いを両立させている新時代のラバーだと思います。

  ・ドライブ
  回転が非常にかけやすいです。
  粘着ラバー以外でテナジー05の回転のかけやすさを越えるラバーが登場したことは個人的にかなり衝撃的でした。
  ディグニクス05はテナジー05よりも回転量の多いドライブを生み出すことができますが、決して回転がかけやすいラバーではなく使いこなすにはコツや慣れが必要です(個人的にはまだ使いこなせている印象はないです)
  発売から2年も経過すると、回転のかけやすさを求めてディグニクスからテナジーに戻るユーザーも多く、改めてテナジーのポテンシャルの高さに驚かされます。
  加えてテナジー19は回転がよりかけやすくなっている為、トータルで考えれば回転量の多いボールを作る性能に長けていると言えると思います。
  テナジー19は大雑把に言えば「より回転が作りやすく若干回転量もアップしたテナジー05」と表現できるかと思います。
  食い込みが良いのでボールをラバー表面でぐっと捉えてからドライブ回転をかけることができますが、逆に言えば硬いラバーで擦る打ち方のドライブを好む方には食い込み過ぎて合わないこともあるかもしれません。
  全体的に弾道は山なりで高い弧線を描きます。
  粘着テンションとまではいかないものの、スピン系テンションではトップクラスで山なりのボールを作り出せるので、粘着が苦手な方でループの回転量を武器にしたい方にもおすすめできると思います。
  回転のかけやすさのお陰でカーブやシュートなどもテナジー05より打ちやすくなった印象を受けます。
  また個人的にはテナジー05の回転性能は魅力的でも硬さが災いしてペンの裏面やシェークのバックでの採用は見送り、代替案として64やFXシリーズをバック面に貼ることが多かったです。
  しかしテナジー19は05よりも食い込みが良く裏面ドライブのシビアな角度でもボールを掴んでくれるので、裏面ドライブでの引き合いも強気で臨めます。
  またフォアよりもバックスイングが大きくとれないシェークのバックドライブでもテナジー19はボールを捉えてくれるので回転量の多いバックドライブで勝負することが可能です。
  また驚いたのは相手ドライブに対するカウンターでの強さです。
  テナジー19は相手の回転にこちらの回転をかけ返すことも得意なラバーなのでドライブの引き合いでのカウンターに滅法強いです。
  ディグニクス05や09C、ブルーグリップC1やTRIPLE Double Extraなどの粘着テンションに対しても決して回転負けせず引き合うことが可能です。
  細いツブを密集させるというテナジー19の唯一無二の特徴は、上位シリーズのディグニクスや最も回転を得意とする粘着に対しても回転負けしないという強烈な性能を誇ります。
  同じテナジーシリーズでカウンターに強いラバーにテナジー25があります。
  ツブが2.65mmと太い為、相手の勢いに打ち負けせずこちらの回転をかけ返すことが可能だった点がテナジー25の特徴でしたが、テナジー19は食い込ませることでより強い回転をかけ返すという特徴を持ちます。
  テナジー19も25もどちらもカウンターが得意ですが異なるのはプレーの位置で、前〜中陣で相手の勢いに対する打ち負けにくさを活かすならテナジー25、中〜後陣での大きなラリーで回転のかけやすさとドライブの手数で勝負するならテナジー19といった違いがあると感じました。
  昨今はテナジーと同等以上の回転性能を誇るラバーが他社からもリリースされ、粘着テンションも主流になってきた為テナジーシリーズ一強ではなくなりました。
  そんな中でディグニクスや他のラバーへの移行がなかなか上手くいかないテナジーユーザーで05にプラスαの要素を求める方にもテナジー19はおすすめできると思います。

  ・スマッシュ
  食い込みが良いのでぐっと掴んでから跳ね返すようなスマッシュを打つことができます。
  テナジー25や05ハードのような比較的弾く感覚があるラバーとは対象的にスマッシュでも掴む感覚を活かした打球になるので好みが別れると思います。
  相手のドライブや強打に対してもお構いなしにスマッシュを叩き込むならテナジー25や05ハードが適していますが、相手のチャンスボールを確実に捉えてコースを狙ってスマッシュを打ち込むならテナジー19が適していると思います。
  また私個人としましてはテナジー05と比較するとスマッシュ練習時のネットミスが減りました。
  細く密集したツブ形状によりボールが滑りにくくなったことや押し出す力が強くなったお陰かなと個人的には感じております。
  回転重視のテナジー05にスマッシュの強さが加わったこともテナジー19を選ぶメリットの1つと言えると思います。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  ・ブロック
  グリップ力が強いシートなので相手の回転の影響はモロに喰らいます。
  しかしこの影響の受けやすさは05や64などの他のテナジーシリーズに比較しても同程度なのでさほど驚きはしませんでした。
  しかし食い込みが良いので相手のボールをラバー表面からボトっと落としてしまうことは減りました。
  その反面、相手の強打の勢いをそのまま返してしまいオーバーミスすることが多くなった気がします。
  回転の影響に加えて勢いも喰らいやすくなってしまった為、テナジー19のブロックは鬼門となる技術だと思いました。
  下手にブロックで繋ぐくらいなら、こちらの回転をかけ返す強さを活かしてカウンター戦に持ち込んだ方が有利だと思います。

  ・ツッツキ
  ドライブのかけやすさがツッツキにもそのまま適用されるので下回転を切りやすいです。
  しかしテナジー05よりも短く切るツッツキがやや伸び気味になってしまい難しく感じました。
  逆にエンドラインや台隅を狙った深くて切れたツッツキはそれだけで得点することも可能なほど強力で好印象でした。
  ツッツキ対ツッツキやカット対ツッツキの場面でもカウンター同様にこちらの回転をかけ返す強さを発揮するので回転負けしない点は非常に優れた性能だと言えると思います。

  ・カット
  ツブが細くて食い込みが良く、密集させることで勢いのある打球を作り出せる特徴はカットにも発揮されています。
  カットの下回転がかかけやすいので手数の多さで何本も何本も粘るカットマンの方にもおすすめできると思います。
  また相手のドライブに対してより強いカットを切り返すことが可能なので回転勝負の場面にも強いです。
  テナジー19の回転のかけやすさは多彩な回転を生み出すことにもプラスに働くので、カットから転じてドライブやドライブから転じてカットに移ることの多い攻撃系のカットマンの方にも選んで頂けるラバーだと思いました。
  しかしテナジー05と比較して打球後の勢いが良くなったことでカットがやや伸びるような感覚があるので前後のコントロールがよりシビアになってしまう点は注意が必要だと思います。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  ・サーブ
  他のテナジーシリーズ同様にテナジー19もサーブの回転がかけやすいです。
  下回転や横回転など回転の種類を問わないのでサーブのバリエーションを増やしたい方にもおすすめできるラバーです。
  粘着テンションが主流になった現代卓球ではサーブの単純な回転量だけでは勝負できなくなってきているという指摘もあるので、複雑なモーションや種類の多さが必要になった場面でもテナジー19の回転の作りやすさは味方になってくれると思いました。

  ・レシーブ
  相手のサーブの回転に対してこちらの回転を強くかけられるので、テナジー05と比較するとテナジー19はレシーブ力が向上していると感じました。
  下回転サーブに対するツッツキレシーブや、回転の読みにくいサーブをチキータでねじ伏せるなどの強引なレシーブでこちらに主導権を移すことも可能です。
  個人的にはサービスからのプレーよりもレシーブからのプレーの方がやりやすく感じる場面もあったことに驚くと共に、サーブとレシーブからのプレーに得意不得意の差をあまり意識せずに済むことも大きなメリットだと感じました。

  ・台上技術
  今回の試打でドライブやカウンター以上に衝撃を受けたのは台上での強さです。
  チキータや上回転を加えたフリックなどコンパクトなスイングからでもテナジー19は強い回転を作り出すことが可能なラバーだと感じました。
  大きな引き合いで回転を作れるラバーはかなり増えてきている為、その性能が最近では勝負の結果にそこまで影響しているとは思えません。
  しかし台上でも回転を作りやすいラバーはそこまで多くないので、勝てるラバーの選択肢としてテナジー19は確実に地位を築いていくと思います。

[おすすめな方]
  ディグニクスや粘着テンションが合わなかったテナジーユーザーでワンランク上の性能を求める方におすすめです。
  バタフライのフラッグシップラバーの座はディグニクスシリーズに譲り渡してしまいましたが、回転がかけやすいという大きなメリットがテナジーシリーズには存在します。
  いくら回転量が多く威力のあるボールを打つことが可能でも、使いこなかったりクセが強ければ試合中のとっさの場面で活かすことはできません。
  その点テナジー19はテナジーシリーズ特有の回転のかけやすさをより向上させ回転量やボールの勢いを強化しているので、使いやすさとボールの威力をバランス良く兼ね備えたラバーだと言えます。
  万人受けするラバーは存在しませんが、まだまだ発展途上である粘着テンションや、トップ選手でも使いこなせないという意見が見受けられるディグニクスシリーズに比べて、円熟したテナジーシリーズからは唯一無二の安心感があります。
  幅広いユーザーに適したラバーに仕上がっていると個人的には感じました。

[まとめ]
  単純な威力や回転の強化ではなく使いやすさもプラスすることを目指した結果、ディグニクス19ではなくテナジー19としてのリリースになったのではないかと感じました。
  新作テナジーの市場での暴れっぷりに今後も期待したいと思います。