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投稿者:FGS


[自己紹介]
  戦型   右シェーク裏粒カットマン
  卓球歴   3年

[レビューする商品名]
  TRIPLE Extra【VICTAS】

[使用環境]
  使用ラバー
  TRIPLE Extra 黒 2.0mm
  使用ラケット
    村松雄斗
    ビオンセロ

[はじめに]
  先月もレビューコンテストのノミネート、投票ありがとうございました。
  先月に続き、今月もまたVICTAS製品のレビューとなります。これで今手元にあるVICTAS製品のレビューは一通り終わるので、来月からはまた他のメーカーさんの製品が多くなると思います。

  さて今月レビューするのは、ちょうど1年前の2020年12月に発売された中国製粘着ラバー、TRIPLE Extraです。丹羽孝希選手が一時期使用していて話題になったTRIPLE Double Extraの姉妹品ですが、そちらに比べるとレビューを見る機会が少ないラバーだと思います。今回はそんな隠れた(?)名品であるExtraに焦点を当てていきます。
  ラバーを見てみると、まずめちゃくちゃ品質が高い..。シートがすごく綺麗です。そしてそのシートは微粘着になっていて、スポンジは硬度55度の黒色スポンジになっています。これはDouble Extraより少し柔らかく、粘着も弱くした仕様になっています。ちなみに厚さは2.0mmとMAXの2種類がラインナップされていて、またシートも赤黒2種類あるため、赤がないキョウヒョウのブルースポンジなどとは違ってフォアバック両面での使用も可能になっています。
  それでは早速試打レビューの方に移っていきたいと思います。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  <ドライブ>
  打ってみてまず驚いたのは、弾みというよりは球の“飛び出しの良さ”でした。もちろん弾みも中国ラバーとしては優秀(粘着テンションの翔龍と同じくらいのイメージ)なのですが、ものすごく弾むというわけではないです。とはいえこのラバー、粘着テンションではなく非テンションの粘着ラバーなので、これだけ弾めば結構優秀だとは思います。そしてそれよりも強調したいのが、先ほど挙げた“飛び出しの良さ”です。粘着ラバーの多くはシートの球持ちがかなり良く、それによって“粘着らしい打感”となっています。一方でTRIPLE Extraは微粘着で球を持ち過ぎないため、テンションラバーのようにパッと球を離してくれるような感覚があります。しかもシートが柔らかめなおかげでスポンジの硬さもあまり感じません。そのためテンションラバーユーザーでも打感に違和感を感じづらく、テンションから移行しやすい、誰でも扱いやすいラバーになっています。
  ただそのぶんシートがあまり強くないため、他の粘着に比べて回転量の少なさやボールの落ちを感じる方もおられるかもしれません。粘着の擦る打ち方というよりは、テンションのシートに食い込ませるような打ち方が合っているかな..と。なので扱いやすさやスピードを求めるならExtraが良いですが、本格派粘着を使いたい方や粘着の強回転や球持ちを求める方にはDouble Extraのほうが合っているかなという印象でした。

  <ミート打ち,スマッシュ>
  先ほど挙げたシートの“飛び出しの良さ”が、ミート打ちでも生きます。というかむしろミート打ちでこそ生きます。シートがすぐ球を離してくれる上に、ドライブの時には隠れていたスポンジの硬さがここで出ます。多少の回転に対してなら影響を受けず叩いていけますし、スポンジの硬さのおかげで威力もしっかりと出せます。
  ミート打ち主体+回転の緩急も入れていく、というプレースタイルには最適なラバーだなと感じました。


  《攻撃技術全般》
  ・非テンションの中国製粘着としては優秀な弾み
  ・シートは微粘着で柔らかめ、球離れ早め
  ・そのぶんシートは弱めで、回転量や球の上がり方は(良くも悪くも)粘着らしくないと感じるかも
  ・スポンジは硬くて威力が出るが、柔らかシートのおかげでドライブではそこまで硬く感じない

  この4点が印象に残りました。
  個人的には、弾みの面以外は全体的に「あんまり中国粘着っぽくないな」と感じました。とはいえテンションラバーユーザーからすれば粘着感が強かったり硬過ぎたりするかもしれませんが..。
  ですがそれでも、テンションからの移行にはちょうどいいラバーかなと思います。本格派粘着ユーザーには物足りないと思いますが、粘着とテンションの間のような(ちょっと粘着寄り?)位置にいるラバーなので、移行したい方や、あるいは自分のような「回転かけたいけど、キョウヒョウは弾まなすぎるし、テンションは柔らかくて弾みすぎる..」という中級者にはちょうどいいラバーだと思いました。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  <ブロック>
  回転の影響を受けづらい上に弾み過ぎないため、かなりやりやすいです。ブロックに関しては中国粘着とテンションの良いとこ取りのような性能だと感じました。コントロールもしやすいですし、ナックルやサイドスピンといった変化もつけやすいです(本格的な粘着の変化には劣りますが)。また球を弾き出すようにすると、スポンジの硬さが出てカウンターブロックも楽にできます。
  ブロックでは、全体的にとにかく扱いやすさを感じました。

  <ツッツキ>
  他の粘着に比べてシートが強くないので、ボールの質(回転量、スピード、変化)はあまり期待しない方が良いかも..。ですがやはり安定はしますね。若干シートに食い込ませて切るのが良いかと思います。前陣でのツッツキはもちろん、カットマンが多用するような打点を落としたツッツキも安定します。おそらく若干の弧線が出てくれるのが影響しているのかなと思います(そのぶん直線的なツッツキが出しづらくなってはいますが)。

  ちなみにボールの質はあまり期待しない方が良いとは書きましたが、これはあくまでも他の中国粘着と比べた場合です。テンションラバーに比べれば質は間違いなく高いです。

  <カット>
  カットに関しても「扱いやすい!」という印象でした。回転をかけやすい上、柔らかいシートが相手の球威を吸収してくれるような感覚があり、非常に抑えやすいです。厳しいコースをつかれた時やミドル処理時などの咄嗟のカットも入ってくれる安心感があります。ちなみにカットに関しても食い込ませる打ち方が良いかと思います。
  回転量に関しては、最大値は高くないですが硬いスポンジを生かすことで緩急がつけやすく、それに球速も緩急がつけやすいため、変化をつけたプレーがしやすいです。カットの抑えやすさを生かしながら拾いまくり、さらに変化もつけていく..というかなり嫌らしいカットプレーができるのではないかと思います。

  <ロビング,フィッシュ>
  弾まなすぎて届かない..ということも無いですし、逆に弾みすぎてオーバー..ということもなく、安定します。回転をかけたフィッシュなんかもやりやすいです。


  《守備技術全般》
  ・弾みが適度、回転の影響も受けづらく、どの技術もやりやすい
  ・コントロール性や抑えやすさは抜群
  ・カットはシートで吸収してくれるおかげで特に抑えやすい
  ・ただそのシートが影響して、ツッツキの質はそんなに高くならない

  この4点が印象に残りました。
  すごく質の高いボールが出せる訳では無いですが、どの技術も扱いやすさや安定感がかなり目立ちました。シートの球離れ、柔らかさが影響しているのかなと思います。特にカットではこのシートがすごく生きていて、どんなボールでも抑えることができてしまいそうに感じるくらいの安心感があります。
  キョウヒョウのような本格派粘着で擦ってブチ切りまくるタイプのカットマンには物足りないラバーだと思いますが、そうでないカットマンなら是非一度は使ってみていただきたいラバーです。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  <サーブ>
  シートが柔らかいぶんキョウヒョウほどの回転はかからないですが、回転のかけやすさを感じました。大会等で緊張して力が入っていてもかけやすいですね。
  また飛び出しが良いため、他の中国粘着よりもロングサーブが深く速くなるように感じました。

  <レシーブ,台上技術>
  (台上は普段使わないのであまり量書けませんが..)
  ストップは柔らかいシートのおかげで簡単に止められます。
  フリックとチキータは、球離れが早いおかげで回転の影響をあまり受けずに打っていけます。
  弾みすぎないため台上はどれもやりやすく、サーブが上手い相手に対してもレシーブしやすいのが強みだと思いました。

[おすすめな方]
  このラバーは,
  ・初めての粘着ラバーとして使ってみたい方
  ・粘着とテンションの中間で扱いやすいラバーを探している中級者の方
  ・ミート打ち主体のプレーで、回転の緩急も入れていきたい方
  ・中級者カットマンの方
  ・ドライブでもカットでも、擦るというより食い込ませて打つ方
  におすすめします。

  逆に,
  ・本格派粘着の性能(回転量、シートの強さ、球の持ち上がり方)を求めている方
  ・ドイツ製粘着のような強い弾みを求めている方
  ・ドライブでもカットでも、とにかく擦って打ちたい方
   にはあまりおすすめできないかなと思います。

[まとめ]
  まとめると,
  ・柔らかく球離れの早いシートなので扱いやすい
  ・そのぶん回転量や球の上がり方は粘着らしさ控えめ
  ・粘着とテンションの中間の打感で中級者にちょうどいい
  ・ミート打ちを多用する方やカットマンにはかなりオススメ

  こんな印象でした。
  繰り返しになりますが、やはり中級者には持ってこいの性能だと思います。価格も¥4800+税という優しい設定です。また上級者の方の場合は、どちらかというとバック面向きのラバーになるかなと思いました。

  そしてこのラバー、全体的にヤサカの翔龍によく似ていると感じました。黒スポンジも相まって余計に..。ちなみに翔龍との大きな違いはシートの強さだと思います。Extraは翔龍よりもシートが柔らかくて軽く、扱いやすくなっています。一方翔龍はシートがもっと厚く硬い感じで、重いですがシートが強いです。そのため翔龍の方が粘着らしさはあるなという印象でした。
  下の比較にも書いてみようと思います。

  という訳で今回はTRIPLE Extra、翔龍、キョウヒョウNEO3を比較していきたいと思います(それぞれE,S,3と略)。

  比較
      硬さ(シートのみ)…E<S<3
      硬さ(スポンジのみ)…S≦3<E
      硬さ(ラバー全体)…E<S<3
      重量...E<S≦3
      弾み…3<S≦E
      球持ち…E<S≦3
      打ちやすさ(対上回転)…3<S<E
      打ちやすさ(対下回転)...E<S<3
      打ちやすさ(ミート系)…S<3<E
      回転量…E<S<3
      スピード…3<S≦E
      コントロール…3<S<E
      ナックルの出やすさ…E<S<3
      抑えやすさ…S<3<E
      ツッツキの刺さり…E<S<3

[補足]
  微粘着でシート柔らかめと書きましたが、新品で開封直後のときは粘着力が少し強く、そのため割と硬く感じるかと思います。少し使えば粘着力が弱くなって扱いやすくなるので、最初扱いづらいと感じた方も、しばらく使ってみるor長時間空気に触れさせて粘着力を弱くしてみると良いかもしれません。

[その他(DVDのレビューはこの欄にお書きください)]
  半年間だけでしたが、2021年もレビューを読んでいただきありがとうございました。
  今年はしませんでしたが、来年からは新製品のレビューなども出来たらいいなと思っています。ということで早速ですが、次回以降何回か連続でWRMさんの新製品のレビューをしようと思います(月ブルー、金星ブルー、Virus-2(スポンジ入り)など..)。
  レビューを楽しみにしていただけたら嬉しいです。
  ではまた来月お会いしましょう!みなさん良いお年を..!