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投稿者:くろかみ

[自己紹介]
  中ペン裏裏、シングルス都128レベル。お久しぶりです。2年間レビュー活動を休止していたので至らない点も多いかと思いますが、少しづつ感覚を戻していきますのでご容赦ください。今回レビューするオリジナル トゥルーカーボンは、2019年にITS三鷹で行われた試打会にて筆者が一目惚れし購入に至り、3年使い続けているラケットになります。当時はオフチャロフ トゥルーカーボンの名で発売されていましたが、2020年のオフチャロフのバタフライ移籍に伴い名称が変更されました。中身は全く同じですので、筆者の所持しているオフチャロフモデルのレビューをそのまま掲載します。

[レビューする商品名]
  ドニック オリジナル トゥルーカーボン 中国式

[使用環境]
  使用したラバー
  テナジー05
  エボリューションMX-P
  エボリューションMX-D
  ライザー48
  Q5
  ヘキサーパワーグリップSFX
  ロゼナ

[はじめに]
  メーカー説明文↓
  DONICのドライブ選手使用率が一番高い、アラミドカーボンラケットです。 弾みの高さに加え、薄めのブレードがコントロールバランスを引き出し、強い回転を与えます。

  「オリジナル トゥルーカーボン」(以下トゥルーカーボン)は、ドニックから発売されているアウターカーボンラケットです。使用されている特殊素材はアラミドカーボンは所謂ALC系の素材であり、つまりはタマスのアウターALC系列と酷似したラケットと言っていいのですが、その一方で板厚が5.5mmと薄いのが特徴です(参考:ビスカリアの板厚は5.8mm)。
  ブレードサイズはシェークが152×157mm、ペンは151×166mmと、いずれも一般的なサイズより大きいです。
  グリップは長さ、厚み共に平均的です。中国式の場合根元幅26.5mmに対しエンド幅33mmと、やや末広がりな形状をしていますが(参考:バタフライの中国式は27mm/32mm)、スティガやヤサカの中国式ほどの鷲掴み型ではないので、手が小さい方でも充分握りやすいかと思います。
  ブレードで球突きをしてみたところ、アウターらしい甲高い音を響かせる一方で弾みは一般的なアウターより控えめでした。板構成は先述した通りオーソドックスなものであり、個人的には1バウンド目で「ああこれね」と分かるような打感でした。本レビューでは、インナーフォースレイヤーZLC(以下インナーZLC)・ティモボルALC・カーボネード45(木材に近いアウターカーボン)の3つのラケットとの比較を交えていきます。
  なお、筆者は85.6gの個体を使用しています。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0   基礎打ち、軽打
  球突きの時と同様、打感はティモボルALCとほぼ変わりませんが、飛距離はアウターの中では控えめで、「軽打の段階でぶっ飛び」という感覚はありませんでした。また少し手に響きますが、これは板厚5.5mmという薄さに起因すると思われます。
  打感の硬さ
  インナーZLC<カーボネード45<トゥルーカーボン≦ティモボルALC
  スピード
  インナーZLC=カーボネード45<トゥルーカーボン<ティモボルALC

  1   ドライブ 9.0点
  元々筆者が試打会でこのラケットに惚れた理由として、ドライブに「掴み」を感じることが挙げられます。これは何度打っても再確認でき、木材やインナーと比較して楽に深く飛ばせるのにしなりや球持ちが失われていないため、全くじゃじゃ馬にならないのです。アウターを使っていると体勢が崩れて上手くインパクトできなかった時にぶっ飛んでしまいがちですが、トゥルーカーボンだと(流石にインナーには及ばないものの)ある程度抑えが効きます。
  回転量も硬さ+しなりによって高次元で確保され、低くて伸びるループが比較的打ちやすいです。とはいえ上板がさらに硬いカーボネードやフォルティウスFTver.Dなどに比べれば回転量は劣り、あくまで飛距離やコントロールとの両立においてハイレベルであるということです。
  ・回転のかけやすさ
  ティモボルALC<トゥルーカーボン<カーボネード45=インナーZLC
  ・max回転量
  インナーZLC<ティモボルALC<トゥルーカーボン<カーボネード45
  ・スピード
  カーボネード45<インナーZLC<トゥルーカーボン<ティモボルALC
  ・飛距離(深さ)
  カーボネード45≦インナーZLC<トゥルーカーボン<ティモボルALC
  ・コントロール
  ティモボルALC<トゥルーカーボン<カーボネード45<インナーZLC

  2   カウンター 7.0点
  ここは中国式ペンを使っている者として、もう少し振り抜きが良い方が安定感、球威ともに向上すると感じました。先述した通りブレードが大きいため、特に合わせるように打ったときにどうしてもしなって喰らう感覚が残ってしまうのがカウンターにおいてマイナス評価になります。シェークならばサイズの違いは小さいので振り抜きについての違和感はないでしょうが、板厚の薄さも相手の球を喰らうことに寄与しているため、あまり評価は変わらないかと思います。
  自分から上書きするようにスイングできた時は、安定して深く返球できました。ドライブと同様ですが、弧線がしっかり上がってくれるので打点が落ちてもリカバリーが効くのも素晴らしいです。
  ・前陣
  トゥルーカーボン<インナーZLC<ティモボルALC<カーボネード45
  ・中後陣
  カーボネード45<トゥルーカーボン<インナーZLC<ティモボルALC

  3   スマッシュ、フラット系 8.0点
  先述したしなりによって、ティモボルALCのように気持ちよくかっ飛ばすことはできませんでしたが、スイートスポットが広いことでやや態勢が乱れた時も簡単に浅い球を献上することなく打てるのが地味に推せる点だと思いました。
  ・安定感、決定力
  カーボネード45<トゥルーカーボン<インナーZLC<ティモボルALC

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1   ブロック 7.5点
  ブレードが大きいために咄嗟に手が届くのがまず良かったです。しなりを生かしてカットやサイドスピンもしっかり入れられますし、弱いタッチだと予想より短く止まるのが意外なポイントでした。ここもカウンター同様相手の強打には押される感覚があり、守りの展開から得点するには自分から変化を加えていくことが必要でした。
  ・コントロール
  トゥルーカーボン<カーボネード45<ティモボルALC<インナーZLC

  2   ツッツキ   8.0点
  特筆することはありませんが、擦って上書きするのも深く差し込むのも操作しやすかったです。筆者はツッツキにカツっと球を捕らえるような感触を求めますが、その点では他のアウターに劣っていました。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1   サーブ 8.5点
  切れる上に、長短のコントロールが容易に感じました。従来のアウターより球を持ってくれることで短く切れたサーブも出しやすく、個人的にはインナーZLCよりも緊張した場面で信頼できました。
  ・コントロール
  ティモボルALC<インナーZLC≦トゥルーカーボン<カーボネード45

  2  ストップ 8.0点
  サーブ同様、意外と短く止めるコントロールが効くため多少打球が遅れた時でもネット際に落とすことができました。

  3  フリック 6.5点
  弾くよりトップスピンをかけるように打つ方が深く安定した返球となり、ラケットの特性を活かせているように感じました。

  4  チキータ、台上ドライブ 7.5点
  インパクトさえできれば擦れて弧線が上がり、台上でも安定してネットを超えます。筆者はラケットヘッドの重みを強く感じ、掴みきるまで満足にスイングする前に球が離れてしまうことがありました。

[おすすめな方]
  本格派には手が出せない、でも現状のラケットだと球威や切れ味が物足りない、といった悩みをもつ中級者の攻撃マンにおすすめです。
  2021年秋には『オリジナルトゥルーカーボンインナー』が発売されました。板厚は同じ5.5mmで同じアラミドカーボンをインナーを配置したものなので勿論打感は木材に近づきますが、筆者としては普段インナーを使われている方も1度アウターの『トゥルーカーボン』から試して頂きたいです。飛距離や球威がアップしつつも操作性が確保されているのは非常に大きな魅力であり、「練習では調子いいけど試合で緊張すると扱えない」といったアウターにありがちな悩みは(ほぼ)解消されています。
  このラケットが向かない方も当然いらっしゃるので予め断っておきますと、打感自体はザ・アウターなので、深く吸い付くような木材やインナーの打感に慣れきった方には移行が難しいと思われます。また、特に中国式ペンの使用者は、ブレードサイズが大きいために数字以上に重さを感じる、ラバーを他のラケットから移す際に余白ができてしまう、といった支障をきたすことに注意して下さい。

[まとめ]
  筆者はこのラケットを3年以上使用しており、その間様々なラバーで検証していたこともあって少し贔屓目の入ったレビューになってしまったかもしれません。しかし、一度打てば他のアウターとは一味違うことが皆さんにも分かって頂けると思います。上級者層からはトゥルーカーボンがビスカリアに似ているとの声もちらほら聞きますが、似つつも異なるからこそ中級者に是非使用してほしいのです。価格もティモボルALCより2000円ほど安く、単なる代替としても生涯ラケットとしても優秀な一品だと思いました。