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投稿者:くろかみ


[自己紹介]
  中ペン裏裏、単都128レベル。このところ天気が安定せず段々と湿気も目立つようになってきました。プレーヤーにはタフな環境になりますが、用具のメンテナンスに気を配って乗り切りましょう。

[レビューする商品名]
  GEWO NexxusEL Pro48 (厚さmax,2.1mm)

[使用環境]
  使用したラケット
  インナーフォースレイヤーZLC
  ヴィルトーソ+
  970XX KLC

  フォアバック両面で試打しました。

[はじめに]
  メーカー説明文↓

   究極のソリューションです。詳細は重要です。?nexxusシリーズのマスタークラス。GEWO Nexxus EL Pro 48は、速くてパワフルなオープニングトップスピンも、ゆっくりとしたスピン中心のラリーも、このハイエンドの開発では問題ありません。ラバーへのボールの「食い込み」を実感できます。最終的には、ヘビー・スピン・オープナーで相手を攻撃することができます。正確なトップスピン、多彩な攻撃、変化に富んだサーブ/リターン......このスピンに特化したパワーラバーには、何の不満もありません。グリップ力と柔軟性のあるトップラバーシートは、あらゆる攻撃動作においてボールとのカップリングを最大限に高めます。

   今回はGEWOというドイツのメーカーから発売されているNexxusEL Pro48(以下EL48)を紹介します。まずGEWOに馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、ゲームウェアを中心に知られているブランドで、ワールドツアーに出ている広告でもその名を見かけることがあります。アルナやロブレスを契約選手に抱え、海外では一定の知名度があります。そして、ラバーについてもややこしい名前で何がどう違うのか分かりにくいのですが(VICTAS批判ではありません)、NexxusシリーズはELが回転系、XTがスピード系と大まかに分かれ、先日発売されたNexxusEL Pro Super Selectは従来のシリーズより性能の最大値が上がっているとのことです。また、Nexxusは硬度展開が多く、個人の力量に合わせて選びやすいのが嬉しい点です。本来筆者は新作の方をレビューすべきなのですが、あえて地味な位置にあるEL48をこのタイミングで取り上げたいと思います。

   開封すると、今時のドイツラバーには珍しいややクリアなシートが目を惹きます。引っかかりは悪くないですが、擦るよりは食い込みによって全体で掴むようなイメージが合いそうな外観です。黄色のスポンジは気泡が小さめの密な形状で、触ると48度らしい手応えを感じます。
   球突きは、ドイツテンションの中では弾みが控えめです。曇り系シートにありがちなピンと張ったような打感はなく、しっかりと手に伝わります。
   球突きや見た目を総合して、このラバー何かに似ているなと気付きました。そう、ファスタークG-1に似ているのです。EL48は硬度帯も全く同じなので、ここの比較をメインで行いたく思います。また、max(2.3mm)と2.1mmの2種類の厚さを試打しています。
   重量は2.1mm厚でパッケージ込94g→カット前65g→カット後46g(中ぺン裏面)。面積の広い中ペンの裏面全体に貼ってこの重量は軽い方と言えるでしょう。ロゼナと同じくらいです。

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  0 基礎打ち、軽打
  球突きで感じた通り、打感が(2.1mmは特に)G-1に良く似ています。Q5やエボリューションMX-D、ディグニクス05などを最近よく打っている筆者にはどこか懐かしく、テンションの飛距離を確保しつつもオートマチックに飛んでいかないという落ち着いた性能にも安心します。maxも2.1mmも書き起こすような癖がなく、初打ちの段階で数年使っているかのようなフィット感がありました(笑)。

  1  ドライブ 7.0点
  引っかかりは程々に良く、落ちません。47.5度相応の硬さがあるため強いインパクトにも対応でき、低めの軌道で安定して収まります。シートがG-1よりも軟らかく、スポンジとの一体感があり心地よい打感です。下回転打ちのループドライブでもしっかり掴んでくれる安心感があり、一方で球持ちはmax(2.3mm)でそこそこ、2.1mmであまり良くないといったレベルで、打っていて自重が球に伝わっている感触は少なかったです。そういう意味では球の軌道は素直で、相手の想像を超えるような球質を生み出すことが難しく、また強打しても深く入りにくいのは決定力を求める方にはかなり物足りないと思われます。実際にG-1を普段使用している仲間に2.1mmを試打してもらいましたが、「打感は似ているが球持ちが足りない」との感想でした。実際受け手としてもG-1の方が台の深くでギュインと沈むような大きな軌道のドライブが来ているように感じました。

  2  カウンター 7.5点
  良い意味で鈍感さがあり、筆者としてはフラット系のカウンターを推したいです。かけ返しても安定するのですが、G-1のような振れば鋭く伸びるような質の回転量は無いため、ラバーの強みを活かすなら自分でスピードを調節して早い打点で相手を振り回していきたいところです。

  3  スマッシュ 8.0点
  威力不足は否めませんが、弾く時もドライブ同様違和感なく打てるため、咄嗟に来たチャンスボールに対してもとりあえず繋ごうとは考えず積極的に叩きにいけました。WRMの紹介でもありましたが、本当にそつなくこなせるという印象が強く、少し打点がずれても変化を加えようとしても基本台に収まってくれて、自滅することが無いのが素晴らしいです。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  1  ブロック 9.0点
  48度の硬さは感じますが、よく食い込んで安定します。相手の強打に負けないコシの強さもあり、収まりが良いです。軽くかけ返した時の伸びではハイエンドの性能に及びませんが、一方で収まりと打感のバランスを活かして積極的にプッシュして詰めていきたいところです。

  2  ツッツキ 8.0点
  ポヨンと浮くことがなく、上から差し込むような軌道で返球できました。とりあえず合わせただけでも明らかなチャンスボールになりにくく、そのツッツキを打たれてのブロックからの得点も良くあり、守備での貢献が目立ちます。これらの性能は強さと鈍感さのバランスが絶妙なELのシートに尽きます。

  なお、今回カットは検証していませんが、このホールド感は安定重視のカットマンにも大きな選択肢となりそうです。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  1  サーブ 8.0点
  最大回転量はG-1に劣るものの、硬さが確保されているために擦りつつ短く収めやすかったです。弾まない印象がある一方でロングサーブは意外に鋭く出せ、弾き出すようなイメージで重いナックルロングを飛ばすのが個人的に好感触でした。

  2  ストップ 9.0点
  しっかり止まります。ドイツラバーのハイエンド類は軽くタッチした時でもシートが強く反応してしまい台上のコントロールが難しいものが多いですが、 EL48は良い意味で鈍感さがあり、ハーフロングに送ってループさせるなど様々な展開でイメージ通りに実行でき、かなり自由に調節が効きました。

  3  フリック 9.0点
  非常にやりやすく、押したり流したり4球目へとつなぐ展開の質が確保されていました。

  4  チキータ、台上ドライブ 8.0点
  ここもそつなくこなせる印象ですが、飛び出しが低めなため打点が落ちると苦労する場面もありました。自分からかけていく技術に関してはやはりG-1や他社のハイエンドに軍配が上がります。

[おすすめな方]
  中級者のバック面におすすめします。ツッツキブロックといった守備面において特に安定感があるため、引っかかりを求めつつも操作性重視で選択できるラバーです。G-1に打感が似ているというのもあり、単に安めのラバーで良いものを探している方にも良い代替になるかと思います。飛距離が欲しいので厚さはmax、合わせるラケットはヴィルートーソだと若干軟らかすぎたためカーボン系をおすすめします。
   フォアで使用した時は若干球離れが早く球も軽い印象があり全体的に物足りなかったため、筆者としてはおすすめしません。さらに硬い50°や新作のSuperSelectを今度試打したいと思います。

[まとめ]
  実は筆者はこのラバーをフォアバックそれぞれ1枚ずつ購入してじっくり検証したため、かなり思い入れがあるというのも、新作の陰に隠れそうなこのタイミングでレビューした理由の一つです。ポストテナジーが騒がれる一方で、最も売れているファスタークG-1は値段が安くないにも関わらずその地位は安泰、という現状を筆者は疑問視しており、ポストG-1こそ今最も需要のあるコンテンツなのではないかと思うほどです。そこでNexxusELは個人的な最有力候補であり、セール時には3000円台で購入できる優れものです。知名度が無いだけで、もしブラインド試打を草の根の層向けに開催したら EL48は無双できるんじゃないかと密かに期待しています。今ホットなGEWO、新作以外にも注目していきたいところです。