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投稿者:ぬりかべ

der-materialspezialist社 DIABOLIC SPECIAL(黒・1.0mm)
 ※Avalox社のP500中国式に貼りました。裏面は太陽PRO極薄皮付き(赤・1.2mmです)。

1.ざくっとレビュー
 自分にとっては「ボールを返しやすい」かつ「前後の揺さぶりがやりやすい」のに、相手にとっては「取りにくいボールが出る」、まさに「悪魔のような」アンチラバー。

2.第一印象
 まず、シートは光沢のある黒ですが、ほとんど摩擦力がありません(トランスフォーマーあたりと比べると若干ありますが)。スポンジは黄色で、おそらくスピンパラサイトスペシャルと同じものでしょう。球突きをすると、「ベチッ」と奇妙な音がして、あまり弾みません。ただ、普通のDIABOLIC(以下「無印」と標記)と比べると、若干反発力があるように感じます。スポンジが薄めな影響でしょうか。
重量は、中国式のグリップ根元から15mm離して23g。かなり軽量です。

【重要】
どの技術にも言えることですが、このラバーはスポンジが薄いため「板で打っている」ような感覚があります。そのため、ペン粒(主にOX使用)の選手が使っても、打球感にあまり違和感を持たずに使えるかと思います。

3.攻撃技術
プッシュ 8.5点
スマッシュ7.5点
ドライブ 評価不能
カウンター 8点
攻撃全般で言えるのが「スピードは出ない」ということ。はっきり言って「遅い」です。しかし「攻撃力がないか」というと答えはNO。他のアンチと比べると、むしろ「攻撃の総合力は高め」であるように思いました。
プッシュもスマッシュも、普通のDIABOLIC(以下「無印」と記載)や粒高OXほどのスピードは出ません。しかし、同社の他のアンチと比べてシートの滑りが少ないため、コントロール性能が高く安定して攻撃を入れることができます。また、球質はほとんどが弱い下あるいはどナックルになり、当てるだけではなかなかネットを越えません。攻撃を返すためには、ちょっと上回転をかけるように打つ必要があります。そのためには台から少し下がってカウンターを狙えばいいのでしょうが、プッシュは弾道が低く、さらにバウンド後の弾道が一般的な粒高やアンチと比べてさらに低いため、カウンターを狙おうにもボールがかなり低く飛んでくるので、ジャストミートはかなり難しいかと思います。また、ちょっと弱く打てばボールをかなり短く低く抑えることができ、プッシュのフォームから2バウンドする弱い球を打つのも難しくありません(実際、練習につきあってくれた卓球仲間は、プッシュのフォームから3バウンドするボールを打っていました)。プッシュとこの短いボールを組み合わせれば、相手からすると「前陣で当てるとボールが落ちる」「けど、下がろうとすると台上で止まる短いボールを出される」と、かなりやりづらいプレーができます。プッシュのみでは慣れられたら簡単に対応されてしまいますが、プッシュのフォームから弱いボールを混ぜるテクニックがあれば、球質と長短の揺さぶりで簡単に点を取ることができます。
ドライブは全くかかりませんが、相手のループドライブに対してドライブのスウィングで打ち返すと、若干下回転のかかった遅いボールが返り、練習相手によれば「スウィングと回転が一致しないからパニックになる」そうです。下回転に対しては、ドライブの角度で打つとボールが滑って落ちてしまいますが、角度打ち気味に打つと適度に上回転がかかって安定して返ります。
カウンターは、フラットに打とうとすると粒高は粒が倒れてコントロールが難しいのですが、このラバーはボールに押されにくく、フラットでのカウンターが比較的容易です。球質は相手の回転を若干残した下系ナックルとなって返り、しかもコート深くに返るので決定力はなかなかに高めです。ブロックまたは低いプッシュをループで持ち上げさせてカウンター、というパターンは大きな得点源になるかと思います。

4.守備技術
ブロック9.5点
ツッツキ 評価不能
 守備技術全般で言えるのが「無印よりもさらに弾まない」ということ。卓球仲間(指導者)が集まったときに無印とこのラバーを打ち比べてもらいましたが、このラバーの後に無印を打ってもらったところ、みんなが一様に「ディアボリック、弾む!」と言っていました。無印も低弾性なのに…。使い始めはネットミス連発になるかと思いますが(弾道がどうのというより、届かない)、10分もすれば慣れるレベルです。
まず、このラバーでのブロックで素晴らしいのが「バウンド後の弾道」と「バウンド後の失速」。一般的な粒高やアンチラバーと比べてバウンド後に沈むような弾道になり、さらに大きく失速します。練習相手には「跳んで来ないうえにバウンドがおかしいから、距離感が狂う」と言われました(私も相手にこのラバーを使ってもらいましたが、同様の感想を持ちました)。当てるだけでは基本的にちょい切れのボールが出ますが、ちょっと押すと相手の回転を打ち消してナックルになります。ナックルブロックとちょい切れブロックを混ぜやすく、相手からすると球質の変化が見分けにくいようです。落としブロックは、相手の回転量が少ないと(当てるブロックと比べて)若干球足が長くなりますが、高校生や一般男子レベルのドライブに対してうまく滑らせることができれば、「低い・短い・切れる」と3拍子揃ったブロックとなります。そして…最大の武器になりそうなのが、ラケットを横に滑らせるブロック。一見サイドスピンがかかりそうですが、純粋に下回転がかかったブロックが相手のネット側に落ちます(これはかなり嫌がられました)。回転量は、落としブロックよりもかかっていたように思いました。ブロック全般で見ると、相手の力量があまり高くないと「止めやすいものの回転の変化が小さい」となりますが、力量が高いと「止めやすいうえに、回転の変化が大きい」と鬼のようなブロック性能を発揮します。裏面にテンション系ラバーを貼ってアンチでのブロックと混ぜれば、球質の差でかなり点が取れるのではないでしょうか。
ツッツキは全く切れません。むしろ弱い上回転で返るのですが、弾道が「低くて切れたツッツキ」なのにバウンド後にボールが伸びるため、相手からするとタイミングがとりにくいようです。何本も使える技術ではありませんが、プッシュと混ぜるとちょっとした得点源になります。

5.台上技術・サーブ・レシーブ全般
サーブ 評価不能
レシーブ 9点
台上技術 8.5点
サーブを試してみましたが、まずスウィングスピードを上げるとシートでボールが滑ってコントロールが難しく、しかもスピードが出ない…。早々にこのラバーでのサーブを断念しました。
「世界一レシーブが簡単」の謳い文句は、まさにその通り。シートの引っかかりが若干あるので回転の影響をある程度受けますが、基本的には「面をちょっと上に向けて押す」とボールは返ります。しかも、適度に滑るので相手の回転をある程度残し、相手コートでのバウンド直後に弾道が変化します。また、一般的なアンチラバーと比べてナックルサーブにも強く、「この種類のサーブは取りにくい」ということがありません。返しやすさだけならば10点ですが、難点はスピードがないことと、長く返すにはある程度の技術が必要なこと。レシーブを直接得点に結びつけるのは難しいかもしれません。ただし、レシーブの弾道は低く弾道は低めなので、相手にサービスエースを取られる心配は少なく、3球目で上から叩かれる心配もほとんどありません。攻撃技術のところで述べたように長短の変化で相手を揺さぶるのは比較的簡単なので、4球目で決める技量があれば、レシーブは大きな武器となるでしょう。
台上技術では、フリックとストップがかなり効果的です。フリックに関しては、プッシュと同様に「安定するが」「スピードはない」「しかし球質がいやらしい」という感じで、威力はなくとも決定力は高めです。ストップは、相手の回転に関わらず2バウンドは簡単で、3バウンドもそれほど難しくはありません。そのうえバウンドが低いので、フリックと混ぜたら相手からするとかなりやりにくいでしょうね。リフトも試してみましたが、変化はそれなりにあるものの、スピードが出ない上に前後の揺さぶりがやりにくい(当たり前ですが、短く落とす技術ではないので…)ので、決定力には欠けるように思います。

6.お勧め構成
 ラバーが本当に跳ねないので、ある程度弾みのあるラケットと合わせないと球足の長いボールが出せないかと思います。基本的には、ALL+以上の弾みのあるラケットに貼ると良いでしょう。また、(くどいようですが)このラバーはスピードが出ないので、極薄系の粘着と合わせるよりは、テンション系のラバーと合わせてスピードの緩急もつけられるようにすると良いかと思います。個人的な意見としては
 和の極み蒼&ラザンターR53&ディアボリックスペシャル
あたりがベストであるように思います。

7.どんな人にお勧めか
無印との最大の違いは、なんと言っても粒高と同じ感覚で使えることかと思います。すべるアンチの変化に魅力を感じながらも、打球感や角度の違いで使用を断念した選手もいるので、そのような選手にはぜひ使っていただきたいですね。なかでも、アンチ系粒高を使っていた選手。絶妙に相手の回転を残してボールが返るので、練習相手が「この妙な変化、アンチ系粒を思い出したわ〜」と言っていました。アンチ粒ほどの理不尽な変化は出ませんが、まずまずの再現率かと思います。無印と比べてプッシュのスピードには欠けますが、使いやすさ・止めやすさ・変化は大きな魅力です。
 次に、前後の揺さぶりで相手を振り回すことのできる、粒高の中〜上級者。長短の変化のつけやすさは、ちょっと類を見ないレベルです。あるいは、ペン粒であれば反転攻撃や裏面攻撃を多用できるタイプであれば、アンチとの緩急で得点を量産できるかと思います。回り込みの多いシェークバック粒が使うのも良いですね。
 無印のレビューでも書きましたが、バックでのレシーブを苦手としている選手に使わせるのも一つの手です。回転やスピードの影響をほぼ無視できるので、一定の角度を出せるようになれば、ほとんどのサーブは安定して返せるようになるので。ただし、このラバーに慣れると他のラバーでのレシーブが難しくなるので、この条件に当てはまる選手に使わせるかどうかはちょっと考えてからの方が良いでしょう。

8.総合評価
 粒や変化系表の中〜上級者が使う前提で考えると、反転攻撃や裏面攻撃を多用できるペン粒が使うなら9〜9.5点をつけて良いかと思います。先述したように、積極的にフォアで回り込んで攻撃をする選手も同様です。守備が主体の、いわゆる「止め専」のペン粒でも、前後の揺さぶりが得意な選手であれば9点をつけて良いかと思います。

9.その他
 無印よりもアンチ系粒高に近いアンチが出ましたね。無印のときは、打球感とラケット角度が粒高OXと大きく異なるので、レビューで「粒高と同じように扱うのは難しいと感じました」と書きましたが、このラバーなら問題なしです(^^)。
 ボールの変化もなかなかに良いのですが、攻撃技術のところでも述べたように、なんと言っても前後の揺さぶりのしやすさが素晴らしいですね。卓球仲間をこのラバーで振り回したところ、「鬼」「悪魔」「ボールにぬりかべの人間性が出ている」と散々な言われようでした。まぁ「『卑怯』『ずるい』は誉め言葉」が私の卓球のモットーなので、その言われようは私にとってご褒美ですが。
「ディアボリック」は日本語に訳すと「悪魔」ですが、本当に悪魔のようなラバーが出たものです。タクティクスLPを試打して以来、粒高をずっと固定していましたが、これは乗り換えようかどうか、本当に悩みます。とりあえず、もう一枚買おうかな…。