
投稿者:零號立会人
[自己紹介]
[自己紹介]
戦績
県大会シングルスベスト8
全国レベルの大会にも何度か出場経験あり
現在は大学の監督といろいろなところでコーチをしております。
私のプレースタイルは裏ソフトドライブ型+粒高でして、相手のプレーに応じて プレーを変えます。
裏ソフトと粒高どちらの技術も同じようなレベルです。粒高では守備も攻撃もやります。
裏面粒高もかなり振ります。
100種類以上のラケット、あらゆるラバーを打ったことがあります。モニターですがアンチラバーについてもいくつか試打したことがあります。
[レビューする商品名]
【andro】ラザンターC53
[使用環境]
ラケット:特注(ハードウッド+特殊素材)
フォア:ラザンターC53
バック:トリックウェーブ
[はじめに]
最近、ニッタクのボールが抗菌仕様に変わりました。
抗菌はメディカルナノコートと呼ばれる手法のようで、恐らくですがトップコートしているのでは?と思います。
トップコート程度では大きく性能は変わらないのですが、抗菌ボールに変更した際、恐らく樹脂のグレードを別グレードに変えたと思われます。東レ製ABSという文言が消えておりますので恐らく他社のABS樹脂に切り替えたのだと思います。
樹脂の質感からABS製であることには間違いないと思います。
東レ自体が元々ABS樹脂にそこまで強いメーカーではないので乗り換える可能性もあり得ますが、乗り換えの理由は他にあると推測します。
樹脂グレードが変わるとABS樹脂と構成するAとBとSの配合比率が変わったりするため、比重なども変わってきますので、最終的にボールになった時の感覚が変わります。
まあVICTASのボールと比べれば同じABS樹脂製であっても全く性質が違うボールになるのは明確ですが、、、
抗菌ボールと以前のボールの差がないという人もいますが、私としてはだいぶ違う印象を受けます。
トップ選手の中だけでなく多くのプレーヤーが、ボールの変化によって、技術面もそうですが、用具面での考え方が大きく変わってきている状況にあると思います。
セルロイドに比べてどうしても引っ掛かりが弱くなってしまうABS樹脂に対して多くのメーカーが出してきた1つの答えがラバーのトップシートに粘着をつけるという手段です。
今回レビューさせていただくラザンターC53についても粘着ラバーになります。
しかしながらラザンターC53のトップシートからはほとんど粘着力を感じません。
ディグニクス09Cなどの最近流行りの微粘着ラバーは、粘着力が弱いとはいえ若干粘着力を感じることができました。
しかしラザンターC53には全くと言っていいほど粘着力を感じません。
ただ、トップシートの質感から明らかに引っ掛かりの良さそうな見た目になっています。
今回は普段使用している、ディグニクス05、ディグニクス09Cと比較しながらレビューしたいと思います。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
まずはフォア打ちを始めると、硬さはあるもののそこまでカチカチという感触ではありませんでした。【09Cハードのイメージ】という評価を見たのですが、私としては09Cのほうが硬いという印象を受けました。
元々、
ディグニクス05→性能は満足しているが、少し柔らかすぎるのでディグニクス05ハードが欲しい。
ディグニクス09C→硬さはまあまあ満足(もう少し硬くても良い)だが、もう少し弾みが欲しい。
という印象を持っていました。
ラザンターC53については、ディグニクス05よりも明らかに硬さがあり、柔らかすぎると感じることはなく、好みの感触でした。
打球感覚としてはエボリューションMXPをパワーロスがなくなるように硬く仕上げました、というような印象です。
まず軽くドライブを掛けていくとビックリ!
めちゃくちゃボールが持ち上がってくれました。
ディグニクス系もかなりボールを持ち上げてくれるラバーですが、抗菌ボールに変わってからはもう少し持ち上がる力が欲しいと感じることがありました。
しかしラザンターC53にはその不安がなく、ドライブが落ちる感覚が全くありません。
これまで打ったラバーの中で一番ボールを持ち上げる力が強いと感じました。
その後、対下回転へのドライブなども試しましたが、とりあえず何でも持ち上がってくれます。打っていて非常に安心感があります。
ディグニクスは自分の感触以上にボールが上がってくれる印象ですが、
ラザンターC53はボールが上がるという感触がしっかりと自分に伝わってきます。
薄くボールを捉えてシートで引っ掛けても、スポンジまで食い込ませて引っ掛けても、ミートやスマッシュで叩いても、とにかくボールが上がってくれます。
カウンターなんかは慣れてくれば勝手に入ってくれる感覚です。
即メインラバーへの採用を検討したいところですが、
まだ下記の部分での迷いがあります。
(1)弾みは弱いわけではないが、ディグニクス05・09Cと比較するとボールのスピード感・ボールが走る感覚がない。
(2)ディグニクスと比較して、ボールに球威がない、回転量が少ない。
(3)ボールが荒れることなく安定するため、相手にとってはとりやすそう。
ラケットも変えたばかりなのでもう少し慣れが必要かもしれませんが、
もう少しスピード感や球威が欲しいところです。
今回試したラケットはハードウッド+特殊素材使用なのですが、打球感はハードになりすぎず、弾きすぎない構成になっているので、アウター素材の弾きの良いラケットだと解消されるかもしれません。
ボールが全く落ちる感じがしないので、大会とかでは安心してプレーできると思います。
私は現在ほとんど大会には出ず、指導者としてが主になりますので、気持ちよくプレーするためにディグニクスに戻る可能性はあるな、と感じています。
(ディグニクスに慣れると少し物足りない感があります。)
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
ブロックはもう少し弾く感触が欲しいですね。
ブロックの時にもボールをしっかり掴んでしまい、
それが却ってブロックのやりにくさを感じました。
現代のボールではブロックは簡単になりましたが、
返すだけのブロックでは通用しなくなってきておりますので、
ある程度カウンター気味に返しやすいよう、もう少しボールが飛んでくれるといいなあというのが正直な印象です。
このあたりはディグニクスのが性能が高いですね。
少し回転を掛けてカウンター気味のブロックだけでもディグニクスは質の高いボールになりますが、ラザンターC53は少し引っ掛けるだけでは相手から取りやすいボールになりやすかったです。
[サーブ・レシーブ・台上技術]
ラバーの引っ掛りがよく、球持ちも良いので非常にコントロールしやすいです。
相手のサービスに対してしっかりと自分から回転を掛け返したときに特に性能を発揮します。
ただ、引っ掛かりの割に回転量は多くないと感じました。
サービスについても同様です。そこそこは切れるのですが、少し物足りないという印象を受けました。
ここはまだラザンターの感触に慣れていない部分もあるように感じました。
[おすすめな方]
ドライブを中心に使う選手には一度試して欲しいラバーですね。
硬いラバーが苦手でない方で、とにかくボールを持ち上げる感覚がほしい、
安心感が欲しいという方には試してもらいたいです。
ABS樹脂ボールに変わってから、どうしてもボールが落ちる感覚があり気持ちよく打てない、という方にもお勧めです。