
投稿者:くろかみ
[自己紹介]
中ペン裏裏、大学体育会所属。コロナによる制限が少しづつ解け有難いことに試合が増えています。レビュワーとしては逆に試打する時間が減っているのが贅沢な悩みですね。
[レビューする商品名]
ヘキサーパワーグリップSFX 2.1mm
[使用環境]
使用したラケット
インナーフォースレイヤーZLC
オフチャロフトゥルーカーボン
主にバック面で使用しました。
[はじめに]
メーカー説明文↓
新基準のボールに対応させた新開発のトップシートと、最新テクノロジーを内蔵した硬度42.5°の小さな気泡のソフトなグリーンスポンジが強烈なスピンと扱いやすさを両立する。?威力、スピン、コントロールをすべての要素に優れたバランスを持ち、広範囲への攻撃を可能にする。ヘキサーパワーグリップSFXは、あなたのスタイルをさらに進化させる。
「ヘキサーパワーグリップSFX」(以下パワグリSFX)は、Andro社から発売されているドイツ製テンションラバーです。筆者が2018年にレビューしている「ヘキサーパワーグリップ」のソフトスポンジバージョンとなります。低価格と廃盤となったラザントの後継のような位置付けが売りのラバーですが、SFXの登場でスポンジ硬度42.5度以下のバリエーションができたことによって、更に初中級者が手を出しやすいシリーズになった印象があります。なお、パワグリとグリップは2022年春にグリーンのカラーラバーが発売されましたが、パワグリSFXとグリップSFXのグリーンは未発売です。Androのグリーンは蛍光色のため筆者は毒々しく感じてしまいやや苦手なのですが笑、見た目のインパクトは素晴らしいので是非SFXにも新色を展開してほしいですね。
さて、開封するとドイツ製らしい臭いとともに鮮やかなグリーンスポンジが登場します。メーカーの説明通り気泡はパワグリと違い小さめに設計されているようで、軟テンションらしい総合力を感じる外観です。
重量は161×150mmの中国式のブレード全面に貼って46gでした。シェークだとこれより少し軽くなる上にロゼナとほぼ同じということを考えると、軽い方と述べて良いと思います。
[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
0 基礎打ち、軽打
軽いタッチでも食い込みを感じることができますが、シートの打感が強めで程よい球離れもあります。パワグリ同様に引っかかりは十分に強く、カス当たりのような打球もシートが捉えて相手コートに入れ込めるような安定感も備えていました。
1 ドライブ 8.0点
弾道やスピードに特筆すべきところは無いのですが、逆に落ちたり弧線が上がらなかったりといった不満も無いです。軟らかいラバーだとどうしても食い込みすぎてロスを起こしたりシートの弱さを感じたりする場面が目立ちますが、このラバーはかつて筆者がバックラバーとして最高の評価をしたブルーストームビッグスラムと並ぶ本格派の球質を兼ね備えています。軌道は素直ですが、シートが強く予想以上に伸びるような回転量を出せる印象を受けました。音も良く鳴って気持ちが良いです。
回転量
EL-P=パワグリSFX>ファスタークC-1
スピード
ファスタークC-1>パワグリSFX>EL-P
カウンター 7.0点
食い込ませにいくと流石に潰れてネットミスする場面もありましたが、上からかけ返しても基本落ちないため、収まりを活かした打球をイメージしたいところです。
スマッシュ、フラット系 7.5点
どちらかといえばドライブとコントロール寄りのラバーではあるのでスピードでは押せませんが、音と球の伸びが相変わらず心地良いです。筆者はしばしば反転してパワグリSFXでスマッシュしたりしていましたが笑、決定力には欠けました。
[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
ブロック 6.5点
シートがしっかりしている代償として、鈍感に振り回すようなブロックはできませんでした。例えばロゼナやマントラのように、叩いてもなんでも入るような寛容性があるわけでは無いです。筆者はブロックにはラバーの一体感があるほうが打ちやすく感じるため、伸ばす回転量はあってもやや打感も含めブルーストームビッグスラムやダイナライズACCのように自在性もあるような印象はありませんでした。
ツッツキ 6.5点
やや浮きがちで、ここも軟テンションを使う上で我慢が必要となります。
[サーブ・レシーブ・台上技術]
サーブ 7.0点
切れますが、鋭い軌道やロングサーブの速さは無いため得点力は低いです。パワグリも収まりはいいのですが決定力に欠ける印象があったため似た感覚かもしれません。
ストップ 6.0点
回転への影響が大きめな割に浮くので、細かいタッチには神経質になりました。ぶっ飛ぶことはありませんが、わざわざ止めにいくなら上書きツッツキで差し込んだ方が良い展開を作れるように感じました。
[おすすめな方]
初中級者の両面におすすめします。インパクトが強くなってくると潰れる感触もあるので下がって打ち合いたい方には向かないですが、シートは高価格帯に見劣りしない強さがありループのかけやすさ、回転量ともに評価できる点など、42.5度ながらバック専用とするには勿体ない性能を兼ね備えています。筆者も今回はバックがメインだったものの、フォアで使用する場合もパワグリよりもパワグリSFXの方が良い球を出しやすいと感じました。
ラケットはアウターカーボンがおすすめです。弧線はラケットに頼らずとも安定して作れるため、ティモボルALCなど弾きを備えているもので初速を補う方がバランスが良いでしょう。