61c5e57f
投稿者:katsuo000+

[自己紹介]
   毎月katsuo000+のレビューをご覧いただき、投票していただく皆さん、どうもありがとうございます。2022年下半期1-4月目もレビュワーに選んでいただきました。毎月、WRMのスタッフさんからポイント反映の嬉しい連絡をいただけて嬉しい限りです!これからも投稿していきますので、どうぞよろしくお願いします。

  ハンドルネーム:katsuo000+
  (過去ハンドルネームkatsuo000)
  卓球歴20年以上
  右シェイク両ハンドドライブ型
  運良く1度だけ全日本実業団選手権出場。

   会社の卓球部と時間が許せば地域の市民体育館や卓球場などで、約月1-2回程度卓球をしております。2022年上期は、最近流行のスピン系テンションラバーを中心に書かせていただきした。2022年下期は、粘着テンションラバーを中心に比較検証するような記事でまとめていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。今回は中国製の粘着ラバーはいったん外させていただいて、主にはドイツ製の粘着テンションにスポットを当ててまとめていきます。中国製の粘着ラバーもいつか、まとめてレビューしていきたいなーと思いますね。

   2022年7月DNAドラゴングリップ
   2022年8月ラクザZエキストラハード
   2022年9月ハイブリッドK3
   2022年10月ラザンターC53
   2022年11月ディグニクス09C ←

  メインブレード:アイスクリームAZXi
  フォアF: オメガVIIチャイナ影
  バックB: ディグニクス05

  サブブレード:レボルディアCNF、林高遠ALC、張継科ALC、張継科ZLC、フランチスカインナーフォースZLC、ティモボルスピリット、ストラディバリウス、トルネードキングスピード、トルネードキングパワー、水谷隼ZLC、水谷隼SZLC、ウルティメイトカーボン、ヴィルトーソ+、ヴィルトーソAC、エキスパートCRWi(旧エキスパートカーボン)、フォルティウスFT ver. D、キョウヒョウ龍V、キョウヒョウ301、リーンフォースAC、アルネイドインナー、インナーフォースレイヤーZLF、サーディウス、インフィニティVPS V、SK7、SWAT、和の極み -煉-、SWATパワー、馬琳エキストラスペシャル、TRiAD、PRO-13S、金星、970XX-KLC、リンバインナー

  サブラバー:省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ40°、39°、普狂NEO3、普狂NEO2、ディグニクス80、ディグニクス64、ディグニクス09C、テナジー05ハード、テナジー05、テナジー05FX、テナジー80、テナジー80FX、ロゼナ、Q3、Q4、Q5、QQ、GF Pro、ファスタークG-1、ハモンドZ2、キョウヒョウプロ3ターボオレンジ、ターボブルー、ズィーガーPK50、ラクザZエキストラハード、ラクザZ、ラクザX、ラクザ7、ライガンスピン、トリプルダブルエキストラ、V>15 Extra、ヴェンタスエキストラ、V>20ダブルエキストラ、ハイブリッドK3、ハイブリッドK1J、エボリューションMX-D、MX-S、MX-P、MX-P 50°、EL-S、クァンタムXプロ、5Q VIP、ラザンターC53、R53、R48、R45、R50、R47、R42、V47、ブルーストームPRO、ブルーグリップC1、ブルーファイヤM1ターボ、ブルーファイヤJP01ターボ、ブルーストームZ1ターボ、ブルーストームプロ、ダイナライズZGR、ダイナライズAGR、ライゼンZGR、ライザープロ50、ライザープロ45、ゴールデンタンゴ、DNAプラチナXH、DNAドラゴングリップ、DNAプロハード、オメガVIIツアー、オメガVIIハイパー、オメガVIIプロ、オメガVツアーDF、ヴェガX、ヴェガツアー、ターゲットプロXD52.5、47.5、GT-X51、GT-H47、ネクサスELプロ53スーパーセレクト、ネクサスELプロ53ハード、ネクサスXTプロ51、コーデックスPro54、アポロ5 40°、38°、金星ブルー、月ブルー、木星IIブルースポンジ、アレスブルースポンジ48°、メイスプロブルースポンジ

  卓球ブログも運営中です。是非ご覧ください。
  https://katsuo000.com/

[レビューする商品名]
  ディグニクス09C (Dignics 09C) / バタフライ (Butterfly)

   バタフライさんのメガヒットにして、粘着テンションの火付け役、ディグニクス09Cをレビューさせていただきます。少し遅すぎた感もありますが、WTT大会で大活躍の篠塚選手がバックハンドで使用するなど注目のラバーになりますね。まずはバタフライさんのホームページからの引用文になります。

  ********************
  粘着力と弾みの両立をハイレベルで実現
   ハイテンション効果を大幅にアップしつつも粘着性ラバーの特長が発揮される独自配合のシートと、硬めの「スプリング スポンジX」との相乗効果により、粘着力と弾みを高次元で両立。“開発コードNo.209”のツブ形状が、回転量の多いドライブやカット、台上技術やカウンターのしやすさをもたらします。粘着性ハイテンションの特長が向上した『ディグニクス09C』は、粘着性の打球感を求める選手のプレーをさらなる高みへと導きます。

  ・粘着性ハイテンション裏ラバー
  ・スプリングスポンジX
  ・ハイテンション
  ・スポンジ厚さ:特厚(2.1 mm)
  公表性能値
  ・スピン:13.00
  ・スピード:13.00
  ・スポンジ硬度:44

  特設ページ
  矛盾を乗り越えたラバーは、強い。
   ドライブが相手コートに深く入るのに、ストップがネット際に短く止まる。中陣からの打球の威力も出るのに、優れたコントロールを導く球持ちの良さがある。そして、自分の回転に“かけ返す” ことができる高い回転性能を持つ。ハイテンションラバーの弾みがあり、粘着ラバーの特性も発揮する。これまでにない打球を、ディグニクス09Cで。

  全く新しい境地を開拓する
   テンション系ラバーに劣らない弾みと、粘着性ラバー特有の高い回転性能を両立したラバーをつくる――約7年前、バタフライの研究開発スタッフは、相反する性能を併せ持つ、競技者にとっては理想的なラバー開発を志した。目標として掲げたのは、
  ・打球を薄く捉えて前に振ることのできる、高い回転性能
  ・威力のある打球を可能にする弾み
  ・カウンタードライブにおける安定性
  ・回転のかかった短いストップなど、台上技術のやりやすさ
  ・回転やテンポなど、プレーの変化のつけやすさ
  上記の5つを同時に満たすラバーである。それは、全く新しい境地のラバーを開発するという、挑戦的な取り組みだった。開発スタートから約3年半が経過した2015年秋、ティモ・ボルが試作段階のディグニクス09Cを試打する機会があった。そこで、彼は思いもよらず、かつてない好感触を得た。「これは素晴らしいラバーになる」――バタフライもボルもそう感じた瞬間だった。それ以来、開発は彼とともに歩むことになった。これまでのラバー開発で培ったノウハウで、ボルからのフィードバックに応えつつ、目標として掲げた性能に近づけるために、試行錯誤を繰り返した。研究開発の日々を積み重ね、性能、品質ともに基準を満たすラバーがついに完成した。ラバー研究開発の膨大な知見を持つバタフライと、飽くなき向上心を持つティモ・ボルとのコラボレーションにより開発されたディグニクス09C。さらなる回転性能が求められるプラスチックボール時代のニーズにマッチした、これまでにないカテゴリーのラバーは、あなたのプレーの新境地を切り開いてくれるだろう。

  独自配合のシートと硬めのスプリング スポンジXの
  相乗効果が独自性を生む
  弾みと粘着力の両立を高次元で実現したシート
   ハイテンション効果を大幅にアップしつつも粘着性ラバーの特長が発揮される独自配合のシートが、ディグニクス09Cの要となっている。一般的に、高いテンションをかけるとシートの粘着力が低下しやすく、粘着ラバーの特性も発揮されにくい。この難題をバタフライ独自の配合技術により、解決することに成功した。
  ラバーの個性を引き出すNo.209のツブ形状
   厚めのベースと、細めで低いツブが特徴である開発コードNo.209の形状を新たに採用。強い回転をかけつつも、相手のネット際に短くコントロールするストップなど、粘着性ラバーの特性を生かしたプレーを引き出す。
  威力をもたらす44°のスプリング スポンジX
   相手の回転に負けない質の高いカウンターや、台上技術のやりやすさを実現するために、硬めのスプリング スポンジXが採用されている。高い回転性能とコントロールを発揮するのも、中陣からの打球で十分な威力を引き出せるのも、変形しやすさと弾みの良さが特長であるスプリング スポンジXがなせる技である。
  アウター素材ラケットとの組み合わせで、勝利につながるプレーを
   回転量の多い短く止めるストップ、チキータに対する質の高い対応、そして、安定した鋭いカウンタードライブを可能にするディグニクス09C。このラバーは、台上技術やカウンターなど前陣でのプレーを重視する選手、そして回転やプレーのテンポに変化を求める選手にお勧めだ。ディグニクス09Cは非常に球持ちの良いラバーのため、比較的球離れが速いアウター素材ラケット(※)を組み合わせるとバランスが良い用具となる。ボル本人が使用しているティモボル ALCはもちろん、水谷隼 ZLC、張継科 SUPER ZLCなどと組み合わせても良いハーモニーを奏でるだろう。


  開発の歩みは、ボルとともに
   2002年に21歳で欧州チャンピオンに輝いたのち、現在まで世界のトップに君臨し続けるという驚異的な実績と、フェアプレー精神を讃えられたティモ・ボル(ドイツ)。彼は非常に強い回転をかけたループドライブやカウンターを武器とし、スレイバー、テナジー05など、その時代ごとの回転性能に優れた用具を使い続けてきた。常に最新の用具や技術を取り入れ、新しいプレーを開拓するという進取の気性が、彼の輝かしいキャリアを支えていると言っても過言ではない。開発段階のディグニクス09Cを試打したときに、かつてない好感触を得て以来、彼は開発に深く関わってきた。そして現在、この回転性能に非常に優れたラバーを使いこなし、より一層進化したプレーで世界中の卓球ファンを魅了し続けている。
  「バタフライによる、全く新しい方向性のラバー。
  ずっとこんなラバーでプレーしたかった」
   ――高い回転性能
  打球が高い弧線を描くのはもちろん、苦しい体勢で手先だけでかけた時の打球も質を落とさずにできる。また、打点を落としてボールを捉えた際に、他のラバーであれば滑ってしまうようなボールでも、ディグニクス09Cであればしっかりつかんで回転をかけて打つことができる。 サービスを出すときも、高い回転性能を感じることができる。ディグニクス09Cは、他のハイテンションラバーに比べてボールを厚く当ててもしっかり回転をかけることができるため、サービスの回転量や長短のコントロールがしやすいと感じる。
   ――コントロール
  ボールとラバーの接触時間が長く、しっかりと打球をつかむので、サービスに限らず、自分自身で打球をコントロールしやすいという感覚がある。例えば、相手のチキータに対して打球するとき、私の打球タイミングや角度が多少外れていても、高いコントロール性能が助けとなり、相手コートに返球できる割合が増えた。
   ――回転を“かけ返す”
  相手のチキータやドライブに対して、自分の回転に“かけ返す”ことができると感じる。同時に、しっかりつかんで弾き返す感覚があり、打球の威力も実現している。チキータが多用されるようになった現代の卓球では、チキータに対する質の高い対応が、より大切になってきている。ディグニクス09Cは、このようなニーズを満たす、時代に適したラバーだと思う。

  「前陣でのプレーで真価を発揮する。私も、09Cも」
   私自身が現在求めているのは、なるべくラリーの少ない、早い段階で決める、台についてのプレースタイルだ。ディグニクス09Cの性能は、台に近いところでプレーした際に、特に強さを発揮するため、目指すプレースタイルとラバー性能がマッチしていると実感できている。
  「今、このラバーでプレーできて、とても嬉しい。
  私にとって間違いなくベストな一枚だから」

  ********************

  テナジー05(以下テナ05)
  ・スピン:11.50
  ・スピード:13.00
  ・スポンジ硬度:36
  ディグニクス05(以下ディグ05)
  ・スピン:12.00
  ・スピード:13.50
  ・スポンジ硬度:40

  使用選手 (2022/11月)
   樊振東選手 (中国) バック
   林詩棟選手 (中国) バック
   林?儒選手 (中華台北) バック
   廖振?選手 (中華台北) フォア/バック
   Ovtcharov Dimitrij選手 (ドイツ) フォア
   Timo Boll選手 (ドイツ) フォア/バック
   Franziska Patrick選手 (ドイツ) フォア
   Qiu Dang選手 (ドイツ) フォア
   Steger Bastian選手 (ドイツ) フォア
   李尚洙選手 (韓国) フォア/バック
   林鐘勳選手 (韓国) バック
   金東賢選手 (韓国) フォア/バック
   呉?誠選手 (韓国) フォア/バック
   黄鎮廷選手 (香港) フォア
   何鈞傑選手 (香港) フォア
   及川瑞基選手 (日本) フォア
   吉村真晴選手 (日本) バック
   宇田幸矢選手 (日本) バック
   篠塚大登選手 (日本) バック
   吉田雅己選手 (日本) フォア
   上田仁選手 (日本) フォア/バック
   松山祐季選手 (日本) フォア
   松島輝空選手 (日本) フォア
   高木和卓選手 (日本) フォア/バック
   笠原弘光選手 (日本) バック
   川上流星 (日本) フォア
   Kallberg Anton選手 (スウェーデン) フォア/バック
   Karlsson Kristian選手 (スウェーデン) フォア
   Gacina Andrej選手 (クロアチア) フォア
   Freitas Marcos選手 (ポルトガル) フォア
   Apolonia Tiago選手 (ポルトガル) フォア
   Groth Jonathan選手 (デンマーク) フォア
   Alamian Nima選手 (イラン) フォア
   Gardos Robert選手 (オーストリア) フォア
   Mino Alberto選手 (エクアドル) フォア
   Shibaev Alexander選手 (ロシア) フォア
   Burgos Nicolas選手 (チリ) フォア/バック
   Meshref Dina選手 (エジプト) フォア
   Pavade Prithika選手 (フランス) フォア
   黄怡樺選手 (中華台北) フォア
   松島美空選手 (日本) フォア
   竹谷美涼選手 (日本) フォア

[使用環境]
  赤特厚でカット前78 g。フリーチャック2で貼りました。ラケットは、張継科ZLC、Virtuoso ACなどに貼りました。ラケットに貼ってカット後50 gでした。スピンアートやテナジー05ハードと同じくらいの重量になります。全体的に高性能で軽量なラバーが多いのが、バタフライさんの特徴ですので、バタフライさんのラバーの中ではディグニクス09Cは重量級のラバーと言えるでしょう。巷で話題になっている通り、シートに粘着は感じません。微々粘着という感じでしょう。

  続いて硬度計での硬さの確認になります。
  重量と硬度比較 (shore cシート側)
  ・ディグニクス09C
   50 g、硬度: 50.8°
  ・テナジー05
   47 g、硬度: 44.6°
  ・キョウヒョウNEO3(普狂NEO3)、41°
   51 g、硬度: 46.7°

[はじめに]
  バタフライと契約している選手のうち40人以上が使用するラバー、それが現在のディグニクス09Cになります。このラバーは、用具性能値からテナジー05と同等のスピード、ディグニクス05を超越する高いスピン性能を持つことがわかります。また、バタフライさんはホームページ上で、アウター特殊素材系ラケットとの相性が良いということも発信されています。嫌でも気になったラバーで、初めて予約購入させていただきました!

  ディグニクス09Cの3つの特徴
  1. 限りなくテンションラバーに近い粘着テンションラバー
   食い込みがかなり良いので、限りなくテンションラバーに近い粘着テンションラバーだと感じました。最低限の粘着らしさを持たせつつ、ほぼスピン系テンションラバーと言って良いと思います。少なくともHurricane(キョウヒョウ)一筋の生粋粘着ラバー使用者は賛否が分かれると思います。個人の感想としては、ディグニクス09Cよりもテナジー05ハードの方が粘着っぽく感じます。よってこれも個人の意見ですが、粘着性ハイテンションラバーと思わずむしろ、高性能なスピン系テンションだと思って使った方が良いでしょう!
   また粘着ラバーをある程度使った経験から申し上げると、粘着ラバーらしい特徴である台上の止めやすさ、対下回転を打球点を落としても弧線でスピードドライブを、ねじ込める打ちやすさは兼ね備えていると感じました。
   粘着ラバーとして考えた場合、明らかに弾みます。この弾む特性を活かして中陣からでもミート打ちでスピードボールを打つことができます。これは結構嫌らしくて、いい意味で回転量の差を生み出しやすいラバーだと思います。中陣からミート打法とドライブを併用することで回転量の差を生み出しやすいラバーだと思いました。ディグニクスやテナジーなどのスピン系テンションでも同じような打法は可能だと思いますが、ドライブの回転量が得られるディグニクス09Cであるからこそ、嫌らしさが際立つ打法だと思います。今までバタフライのラバー、テナジー05などは高性能ですが、ボールが揃いやすいと言われていました。技術力にもよりますがいい意味でボールに変化を与えやすいラバーに仕上がっていると思いました。

  2. ディグニクスの中で一番ボールの弾道が急降下-急上昇する!
   確かに回転量13は伊達ではないと思いました。ドライブの引き合いなどでしっかり食い込ませたときのボールの台への急降下、台についてからの急上昇はえげつなかったです。テナジーでもそのような弾道は垣間みますが、ディグニクス05の方がより顕著で、ディグニクス09Cは最もエゲツない、急降下-急上昇する弾道だと感じました。これをコントロールできればかなり武器になると思います!恐らく、この急降下-急上昇する弾道がこのディグニクス09Cの癖球と言えるのでしょう。キョウヒョウの持つような、沈み込むような癖球はありませんでした。スピン系テンションラバーの最高峰の1つテナジーシリーズやディグニクスシリーズの癖球と同系統の癖球ということで、ディグニクス09Cはやはりスピン系テンションラバーですね!

  3. ディグニクス05よりも扱いやすいディグニクス!
   くい込みの良いシートを採用したことで、ディグニクス05よりも明らかに扱いやすいラバーとなっていると思います。ディグニクス80も扱いやすかったですが、このディグニクス09Cも、万人受けすると感じました。スピン系テンションから粘着テンションへ移行したい人におすすめできるラバーだと思います。あるいはスピン系テンションだと思って使っても差し支えないでしょう。台上のやりやすさを維持したまま、ラリーでは必要最低限のレベルで弾みとスピードがあって、そこに十分以上の回転量が得られる粘着ラバーのようにミスしづらいラバーとなっています。ディグニクス05などはどちらかというと、テナジーよりも直線的で打ち抜きやすいラバーだと思いますが、ディグニクス09Cは一発で撃ち抜くというよりは、ミスがしづらくラリータイプにオススメしたいラバーになってますね。扱いやすい分、個人の感想としては、重量を気にしなければフォアよりバックにあうと感じました。

  ディグニクス09Cの3つの課題
   使いこなす上で、以下の3つの点を認識する必要があると思い、あげさせていただきます。
  1. キョウヒョウのような癖球は出づらい
   上述と被りますが、キョウヒョウというラバーを好んで使用する粘着ラバーユーザーにとっては、ループドライブの癖球による得点力の低下を感じる可能性は高いと思います。もちろん、高い回転量の得られるラバーですので、十分ディグニクス09Cのループドライブは得点力のある打法ですが、ボールの沈み込みや癖球の嫌らしさはキョウヒョウの方が上と言って良いと思います。その分、キョウヒョウよりはスピードドライブは打ちやすいので、この辺りで差別化されると思います。
  2. 硬い
   硬さについて言及すると、ディグニクス09Cはシートはやや食い込みが良くて柔らかい分、スポンジは硬いラバーになっています。テナジー05ハードはシート形状も食い込みを感じにくい形状であり、スポンジも硬く、ラバー全体で硬いデザインになっています。ディグニクス09Cはシートは食い込みやすい分、テナジー05ハードスポンジよりもさらに硬くしている設計になっていると感じました。やはり人を選ぶ設計になっていますが、トップ選手の中にはバックハンドに使用する選手も登場しています。これはシートの食い込みの良さがあるためだと思います。
  3. スピードが遅い
   打ち抜くことがやや難しいラバーにもなっていると思います。アウターALCやアウタースーパーALCなどを使うことで初めて打ち抜けるような組み合わせになりますが、それはまさにトップ選手仕様になりますね。スピードを求めていくと、ラバーの味も出にくくなるようにも思いますので、この当たりが用具沼として卓人を誘い込もうとしているように思いますね。笑

[攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)]
  フォアハンド系
  軽打
   過去に省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジを使用しておりましたが、キョウヒョウNEO3ブルスポと比べると明らかにスピン系テンションのような弾みでした。キョウヒョウNEO3ブルスポは、ブルースポンジがノーマルキョウヒョウNEO3のオレンジスポンジよりも柔らかくて、食い込みやすいのですが、それでも軽打では全然弾みません。キョウヒョウはとにかく当てるだけだと、スポンジが厚とか中みたいに飛ばないんですよね。スピンアートもキョウヒョウと同じように、軽打はそこまで弾まないです。スピンアートをイメージしていたので、ディグニクス09Cは当てるだけだと粘着っぽくなく結構弾みました。これは驚きでしたね。また食い込みがとても良くて、テナジー05ハードよりもスポンジ硬度が硬いとは感じなかったです。打つ前、貼りたてで球をついてみたときにも感じましたが、ディグニクス09Cはかなりスピン系テンションラバーに近い粘着性テンションラバーだと思います。球つきのときの弾みから、ディグニクス05と同等のスピードが得られるのではないかと期待してしまいました。

  ラリーでのドライブ
   軽くドライブをかけるだけだと、結構ボールが浅く入る印象を受けました。ディグニクス05と比較すると明らかに浅いですね。ディグニクス80もディグニクス05と比較するとボールが浅く入りやすいんですが、ディグニクス09Cの打球は多分ディグニクス80よりも浅く入っていたと思います。
   また回転を全くかけないで弾くようにドライブを打っても弾むので弧線を描きつつ相手のコートに入ります。これはナックルドライブのように使えると思います。またミート気味に打つのではなく、ラバーへ食い込ませながら弧線を描くようにねじり上げるように回転をかけるとディグニクス05よりもディグニクス09Cの方が、弾道の急上昇-急降下が顕著に感じました。ディグニクス05でもドライブの引き合いなどで「オーバーする!?」ってボールが相手の台へ沈み込むような弧線を描いて入り、その後上へホップするドライブを打てる時がありますが、ディグニクス09Cはさらにエグい跳ね上がり方をするようなドライブが打てる印象です!決してキョウヒョウ系の台に入ってからさらに沈み込むような粘着特有の癖球ではないと感じました。
   しっかりラバー全体に食い込ませてドライブをかけることができた時は、ディグニクス05と比較して、弧線を強く描くので安定感があって、とても強い回転量のドライブとなります。
   またディグニクス09Cのドライブを受けて感じたことをあげます。まず回転量がエゲツなくてオーバーミスが増えました。加えて回転が強いと思って思い切りラケット角度を被せてブロックしようとすると、たまに全然回転のかかっていないドライブも来て落とすこともありました。弾むラバーなので回転の弱いドライブも打てるということですね。キョウヒョウでは、弾まないのでこのようなボールは打てないと思いました。またやはりテナジー05やディグニクス05と比べるとボールは遅いと感じましたね。中陣や後陣からのドライブであれば、逆をつかれない限り、ノータッチは少ないと思いました。

  面を開いたドライブ
   やはりディグニクス09Cは粘着ラバーですので、面を開いてドライブした方が弧線が出やすくて、安定感があって威力のあるドライブが打てました!キョウヒョウNEO3だとインパクトやスイングスピードが甘いとネットミスしやすいのですが、ディグニクス09Cだとネットミスはほとんどイメージできないくらいボールが上へ上へと上がります。逆にオーバーミスしやすいのでそこは押さえ込むように、弧線を描かせるスイングやボールの上側を水平に捉えるようなスイングが必要だと感じました。ボールの重さでいうとキョウヒョウNEO3の方が重いと思いますが、ディグニクス09Cの良かった点はつぎの3点になります。
  ・打球点を多少落としてもスピードドライブができるような粘着ラバーらしい弧線
  ・食い込みが良いので、打球点がブレてもスピードドライブが安定して入る
  ・台に入った後ホップする弾道のドライブが打てる
  対下回転に対するループドライブ
   とても打ちやすいですし、安定感はありました。しかし、自分はディグニクス05よりもディグニクス09Cの方が柔らかく感じてしまいました。柔らかく感じるので、ドライブそのものを安定して入れやすいのですが、グッと強い回転量を出せているとは感じにくかったです。バタフライの回転性能公表値を考慮するとディグニクス05以上の回転量のループドライブが打てて欲しいところでしたが、対下回転ループドライブでは、それを感じることはできませんでした。どちらかというとディグニクス05と同等程度のドライブになりやすいと感じました。またディグニクス09Cは粘着ラバーですが、どちらかというとディグニク05と類似の高い弾道になりやすく、低くて沈むようなループドライブはやりにくいと感じました。キョウヒョウNEO3の方が、弾道が低くて回転量の多い質の高いループドライブは打ちやすいですね。スポンジ硬度の割に、ディグニクス09Cのシートへ食い込みやすいからだと思います。回転量もディグニクス05の方が安定して高い回転量のドライブが打ちやすいと感じました。これは普段からディグニクス05をメインで使っていて慣れているからだと言えます。また、食い込みが良いからとスイングが遅すぎるとディグニクス05でもあるのですが、ボトっと落ちる時も度々ありました。しっかり体幹や重心を低く固定して、円運動で持っていかないと安定しないと思います。

  対下回転に対するスピードドライブ
   スピードドライブもループドライブ同様、打ちやすかったです。特に好感触だったのが打点の速いドライブですね。ディグニクス05の場合、打点が速いと、ボールへ当てるときの角度、ボールへの当て方などの難しさ、弧線の出しにくさ、などを感じやすいのですが、ディグニクス09Cだと簡単に弧線を描きやすいので、基本的にスピードドライブ狙いで行った方が良いと感じましたね。これは利点だと思います。結構打点を落としてもスピードドライブで持っていけるくらいスピードドライブが打ちやすかったです。また打球点を積極的に体の前方へ持っていきやすいと感じました。下から上ではなく、後ろから前へ前へとスイングすることがやりやすいラバーでした。

  バックハンド系
  軽打
   軽打では、やはり普通のスピン系テンションに近い打球感でした。バックにスピンアートを使っていた時の打感やボールの飛び方を覚えておりますが、スピンアートよりもディグニクス09Cの方が明らかにボールが食い込んで、弾んでいます。ボールはそこまで早くない印象ですが、弧線の出方が段違いでしたね。ディグニクス05と比較しても弧線が出ていることがよくわかります。 

  ラリーでのドライブ
   ラリーでのバックハンドドライブはかなり好印象でした。食い込みやすいので相手のコートの深いところにドライブが入る感じがありました。テナジー05ハードやスピンアートだと少し浅く入りやすいんですよね。これはかなり好印象でした。 

  対下回転に対するループドライブ
   結構オーバーしやすかったです。自分はバックハンドは一度ボールを食い込ませるように少し面を上へ向け気味にボールにぶつけてからドライブをかけるからオーバーミスが目立ったのだと思います。ディグニクス09Cはボールの弧線がめちゃめちゃ上に出るので、打点を落とし気味にしてシートでひっかけて打つと、しっかり回転がかかって、相手がその回転量にミスを誘えると思います。

  対下回転に対するスピードドライブ
   良いですね。自分のバックハンド技術が上達したと錯覚するような強烈なスピードドライブが打ちやすいです。食い込ませやすいので、バックにあっている部分もあると感じました。使うには慣れる必要を感じましたが、慣れれば武器になると思います。ただ自分は最近バックにバタフライのラバーは難しいと感じていることと、食い込ませてから回転をかけるスイングになりやすいので、あわないと感じてしまいました。

[守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)]
  フォアハンド系
  ブロック
   特にやりにくいと感じませんでしたが、一瞬ボールを持ってしまうのでブロックのテンポがゆっくりになりやすいと感じました。自分から少しでも前へスイングしてカウンター気味にしたり、アクティブブロックのように伸ばすようなブロックにした方が、良いと思いました。ある意味ブロックのように相手のボールのスピードや威力を利用しやすい技術の方が、球持ちを感じやすいので好きな人はすごく好きな感覚で打てると思います。

  カウンタードライブ
   確かにやりやすいです。ボールが上へ上へ上がりやすいので、当てた後ボールを沈めるようなボールの抜き方をしてあげた方が良いと感じました。あるいはトップ選手を拝見するとボールの上をとらえるのではなくて、ボールの後ろをぶつけるようにとらえながら回転をかける方が安定するのではないかと思います。多分フォアならキョウヒョウの方が、自分の回転をのせてカウンタードライブすることがやりやすいと感じました。キョウヒョウのようなドライブは難しいですが、ディグニクス05と比較すると粘着ラバーらしくカウンタードライブが打ちやすくて気持ち良かったです。試合じゃなかなかできないですけどね。ディグニクス05の方がカウンタースピードドライブが打ちやすく、ディグニクス09Cの方が、カウンターカーブドライブやシュートドライブ、上書きドライブがしやすいと感じました。

  ストップ
   確かに止めやすいです。ただ回転をかけようとすると思ったより弾いてしまうので、難しく感じました。ただ硬いラバー、例えばテナジー05ハードやエクシオンのオメガ7ツアーやオメガ7ハイパー、アンドロのラザンターR53でも、スポンジの硬さでやりやすいので、ディグニクス09Cの粘着シートだからストップがやりやすいという感じは受けませんでした。おそらくオメガ7ハイパーもシートは食い込みやすくてスポンジは硬いラバーだと思うのですが、ディグニクス09Cの方がより食い込みやすいと思います。また、ディグニクス05でストップに慣れると、切れたストップがピタッと出せるようになるので、ディグニクス09Cを使う必要性は、ストップに関しては感じませんでした。
   また印象として、食い込みが良いので、アップ系のショートサーブは浮かしてしまうことが多いように感じました。実際、ディグニクス09Cに変えた選手にはアップ系ショートサーブが今まで以上に効くようになった印象があります。

  ツッツキ
   サイドを切るようなツッツキがしやすかったですね。切ろうとせずコースを狙って低く入れる分なら十分な性能を示してくれると感じました。切ろうとすると食い込みすぎるので、食い込ませずにシートだけで回転をかけた方が回転がかかると思います。

  バックハンド系
  ブロック
   特にやりにくいということはありませんでした。粘着ラバーのような落ちる感じもなくてコントロールもしやすかったです。たまにオーバーミスすることが気になりましたが、これは慣れでしょうね。またこのラバーはサイドスピンブロックなどのブロックもやりやすくて非常に好印象でした。

  カウンタードライブ
   バックハンドでのカウンタードライブは打点をあまり落とさないし落とせないので、あまり良さを感じませんでした。ディグニクス05でも十分良いカウンタードライブが打てると思います。ディグニクス05とディグニクス09Cのバックのカウンタードライブは同じくらいのやりやすさだと思います。スピードと直線性はディグニクス05の方がありました。

  ストップ
   どちらかというとやりにくかったです。自分はハードなラバーが好きな理由はレシーブなどのツッツキで、回転の影響でボールは浮かさないためです。柔らかいと感じるラバーはバックだと感覚が悪いので、使いづらいと感じてしまいました。

  ツッツキ
   入れるだけであれば問題なくやりやすいです。でもそれならテナジー05ハードでもできる気がしますね。スピンアートではかなりブチ切れのツッツキができて良かったのですが、ディグニクス09Cだと切りに行くと食い込みすぎてぶっ飛ぶのでやりにくいと感じてしまいました。自分はあまりツッツキが得意ではないので、上手な人は切ることができると思います。また、ディグニクス05に慣れてくると、ツッツキも浮きにくく、タイミングでしっかり切って低く出せるようになるのでツッツキに関してはディグニクス09Cを必要とは感じませんでした。

[サーブ・レシーブ・台上技術]
  フォアハンド系
  サービス
   強い回転がかかります。ディグニクス05では巻き込み系で逆横下回転をかけるのが少し難しいのですが、ディグニクス09Cなら巻き込み系でブチッと逆横下回転サーブを出しやすかったです。またディグニクス05と同様で、ぶつけるような軌道で縦切り系サーブが切れてないようでかなりブチッと切れる感じがありました。ボールの重さは感じ辛いですが、回転量はかなり高いサーブを出しやすいです。

  フリック
   フリックはとても安定して良いと感じました。軽く打つだけでドライブ回転もかけることができてフリックがとても安定する印象を受けました。スピードフリックも安定してやすかったですね。どちらかというとナックルフリックよりも勝手にドライブフリックになる感じですね。スピードを出すなら上方向へ強くスイングした方がドライブ回転がかかって安定するので良いと思います。

  バックハンド系
  ストップ
   どちらかというとやりにくかったです。自分はハードなラバーが好きな理由はレシーブなどのツッツキで、回転の影響でボールは浮かさないためです。柔らかいと感じるラバーはバックだと感覚が悪いので、使いづらいと感じてしまいました。

  チキータ
   球持ちが良いのでかなり引き付けることができるのと、めちゃめちゃボールが上に上がるので、スイングスピードを意識しなくても良いので、ディグニクス05よりも安定したチキータがしやすいと感じました。スピードも台上であれば問題ないスピードが出しやすいですし、サイドスピンを入れると相手がかなり取りにくそうにしていたので、回転量による嫌らしさを含めると非常に良いと感じました。

[おすすめな方]
  ・粘着テンションを使用したい方。
  ・スピン系テンションラバーから粘着ラバーへ移行したい方。
  ・回転量を武器にしたい方。
  ・アウターカーボンを使用している方。
  ・抗菌ボールになって回転量が減ったと感じる方。
  ・スピン系テンションラバーのスピードが欲しいけど、回転量が減ってきたと感じる方。
  ・キョウヒョウにもっとスピード性能が欲しいと感じる方。
  ・台上は安定させたいと思う方。

  にオススメしたいです。

  もう、あまり説明もいらないのかもしれません。ディグニクス09Cは現在のバタフライのナンバー1フラグシップラバーといえるでしょう。特設ページが未だに削除されず、掲載されていることからもこのラバーのバタフライでの立ち位置を示していると思います。テナジーから09Cへ、世界標準が移動していく可能性が高いと、評してレビューをしめたいと思います。

[まとめ]
  ディグニクス09Cの3つの特徴
  1. 限りなくテンションラバーに近い粘着テンションラバー
  2. ディグニクスの中で一番ボールの弾道が急降下-急上昇する!
  3. ディグニクス05よりも扱いやすいディグニクス!

  ディグニクス09Cの3つの課題
  1. キョウヒョウのような癖球は出づらい
  2. 硬い
  3. スピードが遅い
  (価格が高い)

[補足]
  回転量
   ディグニクス09C ≧ ディグニクス05 > Diginics 80(ディグニクス80) > テナジー05

  スピード
   ディグニクス05 > ディグニクス09C > スピンアート

  食い込ませたときの弧線の出しやすさ(ボールの沈み込みやすさ)
   ディグニクス09C> ディグニクス05 > テナジー05

  フォアカウンタードライブのやりやすさ
   ディグニクス09C > ディグニクス05

  バックカウンタードライブのやりやすさ
   デイグニクス05 = ディグニクス09C

  ボールの重さ(重いボールが打てたと感じやすいラバー)
   省チーム用キョウヒョウNEO3ブルースポンジ > ディグニクス09C ≧ ディグニクス05

[その他(DVDのレビューはこの欄にお書きください)]
  下記レビューサイトにも掲載してますのでご参考いただけたら幸いです。是非ご覧ください。

  https://katsuo000.com/

  https://katsuo000.com/review_dignics_09c/