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■自己紹介

お久しぶりです。

シェークバック異質のアンチマンです。



■レビューする商品名

XIOM

ジキル&ハイド z52.5 MAX


■使用環境

ラケット TRiAD

フォア ジキル&ハイド z52.5 MAX

バック ファントム009



■はじめに

粘着ラバー、とりわけ硬い中国製粘着ラバーを長らく使っていましたが、ドライブの安定感などでやはり未だ私の実力で使いこなすには難しいと感じることがありました。今回、思い切ってテンションラバーに変えてみることにしました。私はテンションラバーが苦手でした。粘着ラバーに慣れてしまった身からすると、とにかく『サーブの感覚』が違いすぎるのです。過去にDNAプラチナXHを使ったことがありますが、そのときも、粘着ラバーとのサーブの感覚の違いが最終的に粘着に戻る大きな理由となりました。その他にもオメガ7チャイナ影などの粘着テンションラバーを使ってみたこともありますが、やはり『サーブの感覚』がどうしても気に入らず、元のキョウヒョウに戻すということが重なり、テンション系ラバーを敬遠していました。

しかし、対戦する相手の幅が広がるに連れて、ドライブの重要度が上がり、ラリーが続くことも増えた際、粘着だと厳しいなと感じることが増え、改めてテンションへの乗り換えを検討することになりました。


このラバーはお店で気が変わって買ったものです。本当は別のラバーを買う予定でしたが、オメガ7チャイナ影のドライブ性能が好印象だったこともあり、新しいラバーでもあるし、これにしちゃおう、といった感じで購入しました。


ラバーの説明としては、XIOM社の『ジキル&ハイド』シリーズのラインナップの一つで、ナショナルチーム供給の仕様となっています。


メーカーの説明です

『相反するパフォーマンスの共存

パワーと正確性。 卓球において、この2つの要素は相反するものだ。 回転力をアップさせれば、それ だけコントロールは難しくなる。 一方では強みとなるものが、他方では弱点になるのが常識だ。 だが、我々は双方のパフォーマンスを最大化することに成功した。 本来並び立つはずのないもの同士を、完璧に共存させたのだ。 前例のない、 ワクワクが止まらない世界があなたを待っている。』

メーカーの説明を見るに、ジキル&ハイドシリーズは回転性能とスピード性能の両立を強くアピールしているように見受けられます。そのラバーのナショナルチーム供給仕様。果たして使いこなせるだろうか。

外観としては、XIOMラバーの特徴の黒スポンジに、綺麗なよく張ったシートが印象的です。


今回のレビューは、テンションとテンションの比較、というよりも、粘着や粘着テンションとの比較などがメインとなります。ですので既存の有名なテンションラバー、特に各メーカーのフラッグシップラバーとの比較は行っていません。また今後色々なラバーを使う際に比較をしていくつもりです。


今回の比較対象はキョウヒョウプロ3ターボブルー(以下、ターボブルー)、オメガ7チャイナ影(以下チャイナ影)そしてDNAプラチナXH(プラチナXH)です。また、ジキル&ハイドz52.5は☆と表記します。では、レビューをしていきます。



■攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)

ドライブ

ドライブ性能が素晴らしいです。プラチナXHで感じた感動とはまた別の感動がありました。

プラチナXHは『良い球を安定して出せる。軽い打ち方でも重い球が出せる』というようなラバーに感じましたが、このラバーに関しては『いいスイングをしたときに、一撃級のドライブが出る。軽いスイングのドライブは快速で飛んでいく』ように感じました。

とにかくボールが飛んでいきます。体勢が高いと簡単にオーバーしてしまいます。そのため、パワードライブにおいて体勢を下げて抑えるような打ち方が良いように感じます。体勢が低いと球に体重が乗り、また弾道も低くなるので、高速のよくかかった重いドライブが相手コートに突き刺さっていくような感覚を覚えます。そもそも体勢の低いドライブは威力も出て良いですが、粘着に比べてやはりテンション性の弾みやスピードが出て、またガッツリ擦る必要も無いので、ものすごく打ちやすいように感じました。

軽いスイングでも体勢は下げた方がいいです。本当に弾むのでオーバーします。しかしコンパクトなスイングでも、快速のドライブが出るので大変良いですね。

決め球についての、打ち方の粘着っぽさがあります。球質は全く異なりますが、しっかり打つのに比例してボールの質が上がります。ドライブの掛け方の違いについては、粘着のような擦りうちを意識する必要は無く、自然にかかってくれる面があります。もちろんスイングに合わせてしっかり掛かってくれます。このあたりはやはりプラチナXHで感じたことも重なりますが、スイングについては、その勢いに比例した威力の伸び幅が顕著な気がしますね。

ループドライブの回転量はやはり粘着にこそ劣りますが、十分掛かるように感じます。擦るときにはしっかり擦れる点も好印象です。シートがいいうえ、弾みがあるので回転をかけることにしっかり意識を充てられます。


回転量の最大値

ターボブルー≫≫チャイナ影>☆>プラチナXH


回転の掛けやすさ

チャイナ影>☆≧プラチナXH>ターボブルー


ドライブの安定感

プラチナXH☆>チャイナ影>ターボブルー


という感じです。

とにかく弾みがある。パワードライブでも、つなぎ程度の軽いドライブでもしっかり威力を出せますし、かといってループドライブなどでガッツリ回転をかけることもできる。大変良いドライブ性能でした。


スマッシュ

スピード感あるスマッシュが打てます。ミート打ちが打ちやすいように感じます。

特筆すべきことは無いかな、という感じです。

私のラケットはそもそもバック異質のなかでは重い方ですが、ラバーも少し重いので、連打には向かないかな、という感じはしました。

打球スピード

☆≧プラチナXHチャイナ影>ターボブルー


攻撃総合

ドライブ性能が私にはお気に入りの性能です。スピード感あるいいドライブが刺さるように飛んでいく。かといってループドライブなど擦るドライブではしっかり掛かってくれます。

特筆すべきはスピード性能ですね。とにかく弾みます。少し抑えるように打てば、突き刺さるようなボールが出ます。

安定感もあり、粘着のような癖玉こそ無いですが、いいボールが出る。ドライブ性能の高さを感じさせます。

万人受けするバランスの取れた攻撃性能でいうと、やはりプラチナXHに負けますが、ドライブの鋭さやパワードライブの威力はこのラバーの光るところだと思います。



■守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)

対して特筆すべき技術は無いかな、と思います。そつなくこなせる感じです。


ブロック

少し球足が早いかな、とは思います。

あまり小技には向かないように感じました。

ラバーが重いのでラケットにも重さがついて、多少の安定感はあるかもしれません。


ツッツキ

鋭いツッツキが出ます。回転は少し喰らいやすいように感じます。

回転量は、並だと思います。ツッツキはやはり粘着ラバーに軍配が上がるかな、と言う感じです。


カット

できないのでレビューなし


守備総合

特筆すべき点は無いかな、と。テンションの守備技術の特徴の理解が無いので、これが優れている、というのが見つからないだけかもしれません。

そつなくこなせる。何かできない、ということはなく、可もなく不可もなし、です。


ブロック

プラチナXH>チャイナ影≧☆≧ターボブルー


ツッツキ

ターボブルー>チャイナ影>☆≧プラチナXH



■サーブ・レシーブ・台上技術

サーブ

これが良い。苦手だったテンションのサーブ感覚ですが、このラバーについて違和感を感じることがありませんでした。下回転サーブがとても切りやすい。しっかり切れます。テンションで感じる、切る前に飛んでしまう感じが無いんですよね。粘着の感覚で切るというわけにはいにませんが、調整がしやすいかな、と私は感じました。

横回転サーブもよく曲がる横回転・スピード系横回転・よく切れたあまり曲がらない横回転どれも出しやすい。スピード系サーブはよくスピードが出ますが、ちょっとオーバーに気をつけなければいけないです。第一バウンドの点に注意が必要ですね。

曲がる横回転・曲がらない横回転は、流石に粘着にこそ劣りますが、どちらも十分なくらい切れています。

逆横回転サーブについては、出し方に分けます。

YGサーブも、ロングも、曲げるのも、しっかり掛かる印象です。ロングは横回転サーブ同様オーバーに注意が必要です。

手首を思い切り使った強く曲げるYGサーブの曲がり幅は粘着に少し劣る程度の曲がり幅です。だいぶ曲がりますね。面を立てたYGサーブの回転量はあまり出ないですね。面を寝かせると、手首をあまり使わないスイングであればしっかり掛かってくれます。

巻き込みサーブについては、上回転は良いのですが、下回転を切るのが少し難しいかな、と。当たるような感じになると、オーバーしやすく、かからないサーブになってしまいます。しっかり擦れないと厳しいです。

総評として、しっかり擦れるととにかく掛かります。テンションに感じていた、切る前に飛んでいく感じがあまりない。当ててしまうと飛んでいってしまうところがありますが、シビアではないです。


サーブ回転量の最大値

ターボブルー>チャイナ影≧☆>プラチナXH


スピード系サーブのスピード

プラチナXH☆>チャイナ影>ターボブルー



■レシーブ・台上技術

レシーブは少し食らう印象もありますが、ツッツキでもフリックでも普通にこなせます。小技には向かないですね。台上も別に何かがすごいできるという印象も無く、やはり『普通』ですね。

台上の小技にはやはり粘着に軍配といったところです。フリックのスピード感は良いです。


台上の安定感

ターボブルー≧チャイナ影>プラチナXH



■おすすめな方

ハードヒッターで、体勢を下げて打つ方におすすめです。しっかりスイングすればするほど良い球が出ます。だいぶ飛ぶのでそのあたりの調整は必要かと思います。粘着からの以降も個人的にはありです。この飛びについては、慣れが要りますが。万人受けするテンションラバーであれば、やはりプラチナXHになると思います。練習仲間に使ってもらっても、やはり硬さもあるので使いにくさはあるのかなといったところです。



■まとめ

大変好印象です。ドライブはもちろん、とにかくサーブが良かったですね。結論として、本職採用という形になりました。硬さやとてつもない飛びなど、万人受けするラバーでは無いですが、スピード・スピンともにポテンシャルはとても高いラバーだと思います。今後使っていくことでより性能の深みを感じていければなと思います。



■補足

今後は硬めテンションラバーも色々使ってみたいな、と思います。各メーカーのフラッグシップラバーなどに機会があれば触れていきたいな、と思っています。