アポロ5




















アンチマン

■レビューする商品名

APOLLO5(2.2mm38)


■使用環境

ラケット TRiAD

フォア APOLLO5

バック MONKEY ox


■はじめに

このところテンションを使っていました。これまで使ってきたテンションについて、そのどれもに満足しています。今回APOLLO5を打つことにしたのは、久しぶりに粘着を使いたいなと思ったからです。

私は、テンションと粘着は同じ裏ラバーでありながら、かなり違うラバーだと思っています。求められる打ち方が違いますし、発揮できる性能も大きく異なります。

そのため、テンションに慣れてしまった私がいきなりキョウヒョウのようなガチガチの粘着ラバーに戻すのはなかなか難しい。最終的には戻すにしても、何かしらクッションしないとちゃんと使えるようになるまでに時間がかかる。そう思い、であれば、テンションと粘着の中間である粘着テンションラバーをまずは使おう、となりました。

いつぞやに、粘着テンションラバー選びの指標としてテンション寄り〜粘着寄りの基準で並べられた表を見たことがあり、今回はその中で最も粘着寄りだったと記憶していたAPOLLO5を今回はチョイスしました。硬度は、最初は40を考えていましたが、ここまでの粘着ラバー使用のブランクも考えて38度としました。


ではまず外観から。

銀河のラバーは過去に何枚か使用したことがあり、その質の高さは知っていましたが今回も、私の期待に違わぬ品質の良さでした。粘着の強さからか色ムラのようなものもありましたが、使っているうちに落ちていきました。触るとかなりひっつく強粘着シートに、詰まったブラックスポンジ。『国』の文字が印字されており、性能の高さを予感させます。


今回は指標として、XIOMのオメガ7チャイナ影・省チーム用キョウヒョウブルースポンジ・エボリューションMX-Dと比較をします。オメガ7チャイナ影は微粘着、省チーム用キョウヒョウは強粘着、MX-Dはテンションラバーです。種類がそもそも違いますし、テンションと粘着に関しては打ち方など多少変化しておりますので、あくまでも参考程度にお願いします。

(基本的にはオメガ7チャイナ影は『オメガ影』・省チーム用キョウヒョウブルースポンジは『キョウヒョウ』・エボリューションMX-Dは『MX-D』と表記します。)


それでは、レビューしていきます。

(レビュー時の感覚で技術のレビューを行います。テンションから変えたファーストインプレッションというわけではなく、ある程度使って慣れてから抱いた感覚です。)



■攻撃技術全般(ドライブ・スマッシュなど)

ドライブ

粘着の強回転に、テンションのスピード。回転重視なように感じはしましたが、スピードも申し分なく出ます。クセ球はキョウヒョウには及びませんが、回転の質の違いや伸びはテンションラバーに比べればあります。

シートがかなり引っかかってくれるので、少し長くなったフォアロングの回転サーブを打ちに行っても負けません。しっかり上書きして打てます。また、姿勢を落として身体を入れて打つと、かなりスピードのあるドライブになりました。これがなかなか突き刺さるようなドライブで、弾道はなかなかいいのですが、決めきるには少し回転が足りない印象でした。これは技量かもしれませんが。

個人的に気に入ったのが、低い打点から力を抜いてひろいあげるようなドライブです。これが思ってる以上に持ち上がりそれでいてかなり回転がかかります。フルスイングのドライブの威力もなかなか出ますが、この、持ち上げるドライブはかなりの武器で、打った相手はかなりふかしてくれました。似た感覚でかなり曲げるカーブドライブもでき、これが、めちゃめちゃ曲がりました。バウンドする前からうなるように飛び、制御するのが難しいくらい……。バウンドするとまた、さらに曲がるので、練習時は笑ってしまうほどえげつないボールが出ました。私はかなり浮いたドライブになってしまい実戦ではメインでは使いませんでしたが小技としてはかなりいいです。

強粘着ラバーでは自分で飛ばさなければならないところを、テンションがかかっているおかげである程度ラバーが飛ばしてくれる。そのメリットが生きた技術だなと思いました。

ループドライブは、強粘着シートに引っかければぶち切れの上回転になります。変化は思ったよりも大きくなかったですが、回転量は豊富でかなりいいです。


ドライブの回転量(最大値)

MX-D<オメガ影<APOLLO5<キョウヒョウ


ドライブの安定感

キョウヒョウ≦APOLLO5オメガ影<MX-D


(キョウヒョウとAPOLLO5は、硬いのもあり、かかるときはとても強いですが掛からないときは本当にかからないこともあり、オメガ影のほうが常にある程度の回転は掛けられたような気がします。質的にはMX-Dはとにかく一定の良い球が出るので安定面はやはりMX-Dです。)


ドライブのスピード

キョウヒョウ<APOLLO5MX-Dオメガ影

(オメガ影はとてもハードなので、フルスイング時のスピードドライブの威力はなかなかなものがありました)


スマッシュ

シートのテンションと硬いスポンジで、かなりよくスピードが出ます。

ただ、とりたてて述べるべきことは無いかなと言う感じです。

スマッシュのスピード

キョウヒョウ≦APOLLO5オメガ影≦MX-D


攻撃技術総評

強打の質は勿論ですが、つなぎの球の質が良いのがなかなか良いです。シートのテンションと強粘着が活きています。

つなぎのドライブがよく掛かっていると、それで返球を浮かせてくれたり、ふかしてくれたりするので、それを思い切り打つという形がなかなかよくハマりました。

シェークバック異質は下げられて戦うのがあまり得意ではないと思います。前陣で戦う私にとっても、下げられてしまうと、下がっての打ち合いはそもそも練習しないですし、フォアで繋げてもバックに振られるとカットするほかなく、カットが入れば良いものの、本職のカットマンではないのであくまでつなぎ程度にしかならない。練習してもいない後陣ドライブなど、入れば良いくらいで打ち合いなどもっての外。下げられたらほぼ『失点パターン』のようなものです。

そういう私にとって、フォアのつなぎの質が高いのは、前陣でのプレーはもちろんですが下げられそうになった時の対抗策として使えます。うまくひっかけて持ち上げて、緩く高めの弾道で確実に台に入れる。個人的にこの技術は、APOLLO5を使って感じたなかなかいいポイントでした。



■守備技術全般(ブロック・ツッツキ・カットなど)

ブロック

特筆するべきことは無いです。打感はまあまあ良いです。キョウヒョウよりも飛び出しが若干早く感じます。テンションがかかっているからでしょう。


ツッツキ

かなり安定します。よく切れます。回転は受けますが、鋭くスイングして上書きすると、上書きの回転量が豊富なためかなり良いです。ちょこちょことしたツッツキのラリーになったときは、少し回転に気を使います。サイドスピンもよくかかります。回転をかける技術については粘着の良さが良く出ています。


ツッツキの切れ味

MX-D<オメガ影≦APOLLO5キョウヒョウ


カット

本職では無いので、ちょっとやってみた、というレベルの感想ですが、なかなか抑えられて良いです。切り方がわからないので打球に合わせてカットスイングで送り返すといった程度ですが、個人的に打感も安定感も好きでした。

ぶち切れのカットは、無論切れます。ぶち切れです。


守備技術総評

ブロックではテンションを、ツッツキでは粘着を感じます。双方多少干渉はしていますが、ほぼほぼ『いいとこどり』といった感じですね。

個人的には他のラバーに抱いた感覚と大差はなく、細かく言えばMX-Dのほうがブロックの飛び出しが早く球足も早く、打感も良かった。キョウヒョウのほうがツッツキは切れ、回転にも鈍感だった。というような感じです。



■サーブ・レシーブ・台上技術

サーブ

なかなか良いです。縦回転系がよくかかります。縦スイングの下回転サーブはMX-Dやオメガ影とは比べ物にならないくらいやりやすく、よくかかりました。横回転も満足行くレベルでかかります。巻き込みは、回転はかかるのですがスピードや長さについてはMX-Dのほうが調整しやすかったかなと思いました。個人的に良かったのはスピードロングの横回転サーブで、鋭いスイングでカツンと切ると、低くよくかかったサーブが曲がって行きます。バックに出すと低く深く刺さるので得点率がなかなか良いです。浮いても回転量が豊富なおかげで、叩こうとしてもネットにかかったり落ちたりしてくれて、よく切れるなと感心しました。


サーブの切れ味(縦回転)

MX-D<オメガ影≦APOLLO5キョウヒョウ


サーブの切れ味(横回転)

MX-Dオメガ影≦APOLLO5キョウヒョウ


サーブの切れ味(巻き込み)

オメガ影≦MX-DAPOLLO5キョウヒョウ


ロングサーブのスピード(縦回転・横回転)

キョウヒョウ≦オメガ影≦APOLLO5MX-D


ロングサーブのスピード(巻き込み)

キョウヒョウ≦APOLLO5オメガ影<MX-D


レシーブ・台上技術

細かな技術には粘着の良さが現れます。回転がよくかかるので上書きもでき、ストップはよく止まります。バックの技術がないのでここの内容は薄くなりますが、フォアに使っていてかなり満足の行く性能だということはしっかり述べておきたいです。



■おすすめな方

・過去に粘着を使用していて、しばらくテンションを使っていたがやはり粘着に戻すことにした人の中継点

・これから粘着を使いたい人の、キョウヒョウのような強粘着ラバーに変える手前のラバー

・粘着を使っているが、使いこなすにはパワーが足りなくなってきた人

かなり細かいアドバイスになりましたが、こういう方にいいかなと私は感じました。

シンプルにラバーとしての性能が優秀ですので、回転重視で卓球をしていきたい人にもぜひ一度は触れていただけたら嬉しいです。



■まとめ

なかなかいいラバーでした。テンションラバーでの卓球は快適です。ドライブの安定感は打っていて楽しいです。しかし、粘着ラバーには粘着ラバーにしかない楽しさがあります。強回転でゴリ押したり、クセ球で翻弄したり。ぶち切れのサーブで相手を翻弄するのも、テンションラバーに比べて回転がよく掛かるため楽しいです。私はテンションラバーと粘着ラバーの純粋な比較は難しいと思っています。双方得意不得意があります。そんなテンションラバーと粘着ラバーの『いいとこどり』をしたラバー。粘着テンションラバー。このAPOLLO5は、粘着ラバー寄りとはいえテンションラバーの良いところもしっかり感じられる。まるで『使いやすくなった粘着ラバー』のような感覚を覚えました。